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ニッポン・コネクション 2005

HAPPENINGText: Yurie Hatano

SHIFT展覧会と同様の「ニッポンカルチャー」のセクションでは、他にもライブ、食堂、太鼓のワークショップ、指圧マッサージ、書道、俳句、マンガ、レクチャーなど、様々なイベントが行われた。

オープニングラウンジが行われた場所は、その後も連日夜になるとライブイベントなどが行われ、時にそれは朝まで続く。大阪のパンクロックバンド「あふりらんぽ」の2人が真っ赤なドレスに身を包み、裸足で登場したのは3日目の夜のことだ。即興を交えたシャウトに、ジャンプに、超満員の会場は2人のワイルドな空気に呑み込まれた。

メイン会場の地下のスペースには、フェスティバル期間中、SOBA-YAのスープラウンジが設けられ、蕎麦やうどんといった日本の味が提供された。広いそのスペースは常に沢山の人で賑わい、時には行列を作って売り切れとなることも少なく無かった。日本の立ち食い蕎麦さながらカウンターで立って食べたり、またはソファに座ってのんびりとくつろいだりと、それぞれに楽しんでいたようだ。

また、そこにはカラオケセットも設置されており、ちょっとしたステージでカラオケに挑戦する人も見て取れた。日本の味はメイン会場内にもう一つあり、「ニッポンシネマ」の上映会場前に寿司バーが設置されていた。日本ではあまり主要でないオリジナルのロールなども楽しめ、寿司のパックを持ち歩きながら会場内をまわる客も多かった。

これらは日本人によるプロジェクトだけでは無い。蕎麦をつくっていたり寿司を握っていたのは現地に住むドイツ人であったし、日本の雑貨を販売していたのはフランクフルトでショップを持つYAKITORIであった。

また、3年前から活動を続けるペド・ノップらによる「ニッポンコネクション・エクスチェンジング・トラックス」というプロジェクトはとても意欲的。一昨年はニッポンコネクションのCDプロジェクトを手がけ、昨年にはこの音から得るインスピレーションを元に、プラネット・スタジオ・プラスワンの代表富岡邦彦氏らにより、7つのショートムービーに仕上げられた。今年は、5月にリリースされるそのCDの2作目を視聴できるブースができており、観客は日本の伝統的なサウンドトラックに耳を傾けていた。

「ニッポンカルチャー」の数々のイベントやその他のこうしたプロジェクトは、ニッポンコネクションがただの映画祭に留まらないものであるということを示している。年を重ねるごとにその動員数を増し、その勢いにはこれからも目を見張る必要がありそうだ。フランクフルトに湧き出た大きなエネルギーを目の当たりにすることができ、国を越えてスタッフ、アーティスト、観客が、確かに心を触れあわせた5日間を感じた。今後の展開にますます期待すると共に、しかしだからこそ、ここで取り上げられるべき作品選出の重要さを感じたのも事実である。

ニッポンコネクションはこのあと、例年のごとくベルリンバルセロナへとツアーを行っていく。そこでもまた違った反応と共に、盛り上がっていくに違い無い。

全てのスタッフ、観客に感謝!来年はあなたもこのエネルギーを感じてみてはいかがだろうか。

ニッポン・コネクションでは、来年の開催へ向け、日本からの作品を募集中です。

Nippon Connection 2005
会期:2005年4月13日(水)〜17日(日)
会場:Festival Center、Filmtheater Valentin、Literaturhaus Frankfurt、
   Kino im Deutschen Filmmuseum、Knstkerhaus Mousonturm
info@nipponconnection.de
https://www.nipponconnection.de

Text: Yurie Hatano
Photos: Yurie Hatano

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