トモアキ・リュウ展

HAPPENING

洗練された空間を、様々な形に難なく適合させてしまうソーソーカフェ。2005年3月5日のオープニングパーティを皮切りにして、この度その白い魅惑的なスペースは、トモアキ・リュウのダイナミックな色に染められた。


トモアキ・リュウは、グラフィティ、ウェブサイト、ファッション、グラフィックデザインなど、多分野に渡って独自の作品を創り出す、ロンドン在住の日本人アーティストである。ここシフトでも、「シフト2005年カレンダーコンペティション」にて作品が選出されている他、2005年1月のカバーデザインを手掛けるなどの活躍をしており、その名や作品になじみのある人は多いであろう。

オープニングに行われた彼のパフォーマンスは、始まったというよりもむしろ、いつの間にかそこにあったと表現したい。開始時間には、彼はすでに大きな3枚のクリアパネルの制作に黙々と挑んでいて、スプレーを用いた着色作業のために会場と外の出入りを繰り返していた。

入り口付近に展示されたのは、シフトとリュウ氏のコラボレーションによるオリジナルTシャツと、デザインスニーカーなどの作品である。その色や配置は、一見ポップなアパレルショップのようでもあり、入り口に明るい印象を創り出していた。会場内の壁やテーブルには、シルクスクリーンやステンシル作品、ポスターなどが張り巡らされ、また、奥に位置するDJが、心地よいビートと共に会場全体を1つにした。

そんな中に入場してくる観覧者は、まず、独特の形に切り取られた5色のオーナメントを選ぶよう指示を受ける。裏面がシールになったそのオーナメントは、正面に掛けられたクリアパネル上に、それぞれの観覧者の感覚によって1つ1つ貼付けられていく。このパフォーマンスは、入場者の数と共に密度を増していく1枚に、最終的にはリュウ氏が取り組む3枚のクリアパネルを重ねて完成する、という非常に楽しい仕組みであった。自らの手も加わった作品の完成に対し、観覧者の思い入れや期待もより強まったに違いない。色とりどりのオーナメントが貼られたパネルを見つめながら、観覧者はリュウ氏の創作に惹き込まれていった。

トモアキ・リュウの作品には黒いアクセント的なモチーフの他に、いくつもの澄んだ色が使われているものが多い。色同士は混ざり合っていないにも関わらず、それらは1つの面の中で複雑に絡み合っている。また、時に力強く太く、時に繊細な細さで泳ぐように動き回るその線には、静と動、そしてデジタルとアナログが共存する。それらを重ねることによって、混沌とした印象の中に存在する秩序、という矛盾のようなものが生み出されているように感じる。

そんな作品をここで見る事ができた時、それら彼のデザインは、「独立した才能を持った個の集合体」という表現にあてはまるシフトの存在、そして「自然と共存する都会」とも言えようここ札幌の地と、見事にリンクして私に映ったのだ。偶然と言うべきか必然と言うべきか、それはまさに「SHIFT MEETS TOMOAKI RYUH」のタイトルに表れた、発見であり感動であった。

パフォーマンスは、その後、予定時間を大きく過ぎて終わりを迎えた。時間の都合上、その場で完成を見届ける事ができなかった者も多く現れたが、誰の顔にもその場に対する満足感が見て取れた。重ねられた合計4枚のパネルは、会場内の視線を全て集めながら存在感を増していき、期待して待っていた観覧者からは称賛の声が聞こえていた。

これからの活動に目が離せないアーティストとして、注目を集めるトモアキ・リュウ。日本初のこの展覧会を終えた彼は、これからも世界中でその放つ光を変えながら、見る者に様々なメッセージを与えてゆくに違いない。

トモアキ・リュウ展
会期:2005年3月5日(土)〜31日(木)
会場:SOSO CAFE (ソーソー・カフェ)
住所:札幌市中央区南1西13 三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
営業時間:11:00〜21:00
入場料:無料
協賛:PRINT’EM

Text: Yurie Hatano
Photos: Mayuga from FLY

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