ベンジャミン・モーガン「クオリティ・オブ・ライフ」

HAPPENINGText: Mark Buswell

今年の始めに、私は有名なデザイン関連のポータルサイトを通じて、あるウェブサイトに遭遇した。それは「クオリティ・オブ・ライフ」という、サンフランシスコのミッション地区で育った2人のグラフィティ・アーティストについての映画のサイトだ。

それは本当に驚くべきサイトで、グラフィティ・アートの本質を突いていて、私は瞬時に惹きつけられてしまった。何がそんなに私を惹きつけたかというと、それがよくあるグラフィティ映画に見られる形態の厳格なドキュメンテーションではなく、そこにハートがあり、物語が実話と実際の人物によるものだからだ。

さらに調べてみると、映画に登場する2人の男性俳優と私が、サンタクルーズとサンフランシスコで一緒に育った仲間だということがわかった。ブライアン・バーンハムは、私が今まで会った中でもっとも素人っぽい俳優だ。彼とかつて会った時から何年もの時を経て、俳優をしていると知ったことはとても嬉しいことだ。

半年に渡って、私はいつその映画がサンフランシスコで封切られるか確かめるために何回もウェブサイトを訪れた。ハワイ・シネマパラダイス・フェスティバルや、ストックホルム国際映画祭、サンノゼで行われたシネクエスト映画祭、それからベルリン国際映画祭(そこでは名誉ある佳作賞を受賞した)で批評家たちの大絶賛を受けた後、ついにその映画は11月12日にホームタウンであるサンフランシスコのミッション地区のロキシーシアターで、映画祭の一環として公式上映された。

ものすごい人数の映画関係者がこの映画芸術施設に集まったので、彼らは自分達の作品が試写されることを望んだ。ロキシーシアターは映画にとって特別に意味のある場所で、そこではあるひとつの傾向を特化して上映し、他の傾向の作品の多くは少し離れたところで上映されている。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE