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ビューロ・ディスカウント

PLACEText: Reto Caduff

スイスのチューリッヒは、ダダイズム誕生の地というだけではなく、ヘルベチカやグリッドシステムに見られるような、古典グラフィック・デザインでも重要な場所であり、マックス・ビルなど、今世紀の最も重要なアーティスト達の出身地でもある。さて、スイス最大の都市、ここチューリッヒから最新ニュースをお届けしよう。

もし、2〜3週間のうちに、チューリッヒを訪れる機会があって、グラフィックデザインやイラストレーションの熱いシーンに興味があれば、現在、ビューロ・ディスカウントで開催されている展覧会を見逃す訳にはいかない。あなたがもし、シフトの熱心な読者であれば、もうすでにご存じだと思うが、ビューロ・ディスカウントは、スイスの首都ベルンにベースを置くグラフィックデザイン会社、ビューロ・デストラクトの一部だ。

ビューロ・デストラクトの一員である、フィデルユスが、妻のミナとこのビューロ・ディスカウントを経営しており、グラフィックデザインやイラストレーションを一同に集めた、この注目すべき展覧会を開催している。

『元々は、ベンジャミン・グエデルという、才能あるイラストレーターの展覧会をしようという計画だったのです。』とフィデルユスは語る。『グエデルはチューリッヒの中心部のスコーネストリート5に位置するオフィスビルで創作活動をしています。その建物は、グラフィックデザイナー、ミュージシャン、イラストレーターなど、才能溢れるアーティストが全てのスペースを借りきっているんです。あまり、コラボレーションはしていないみたいですが。』5年前に、アーティスト達がそこで働き始めた頃から、志望するアーティスト同士のグループ展を開こうというアイディアがあったようだ。

ベンジャミン・グエデルのサポートもあり、ビューロ・ディスカウントは、チューリッヒのグラフィックデザインシーンで活躍する、才能あふれるアーティストの展覧会を開催できた。ギャラリーでありショップでもある、ビューロ・ディスカウントの壁には、フランコイス・シャレーベンジャミン・グエデルソーダ、マーティン・ウッドリー、マーク・カッペラー、ミクロミュージック・ドット・ネット、ウア・アルサウス、クラウディア・ブラムなどの作品が展示されていた。オープニング当日、会場が人で埋め尽くされているなか、フランシス・シャレーは、嬉しそうに作品を眺めながら、『いつも廊下で挨拶を交わすアーティスト達の作品をこうして見られて嬉しいよ。』と話す。

作品のスタイルやジャンルはかなり幅広いが、50、60年代の黄金時代のような、スイスのグラフィックデザインとイラストレーションの最前線をここで感じ取ることができるだろう。

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Text: Reto Caduff
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Reto Caduff

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