カールスティー・アン・パウエル

PEOPLE


今月は、アムステルダムを代表し、またジャパニーズスタイルのカリスマ的存在でもあるCIBONE(シボネ)のゲストとして、東京デザイナーズブロックに出展予定のテキスタイルデザイナー、カースティー・アン・パウエルを紹介したいと思う。たった4年前にイギリスからオランダに移り住んだ彼女の活躍ぶりは驚くべきものだ。

私がカースティーに初めて会ったのはアムステルダムで、私がロンドンから船でやって来て間もない頃だった。アパートを売りはらい、他の国で新たに出発するために引越しをしてきたその当時の私たちは、今までの仕事を離れてもちゃんとやっていけるのか半信半疑で、すっかり怖気づいていた。カースティーもその当時引っ越してきたばかりの、私が会った数少ないイギリス人のひとりで、アムステルダムでの新生活を整えるのに忙しかったが、早く自分のビジネスを構築したいと言っていた。そして現在、それを実現し上手くやっていけていることがとても嬉しいと彼女は話してくれた。これはとても刺激的な話で、いかにしてオランダが世界のデザインの方向を大きくリードし続けているかということを示す良い例でもある。

カースティーのつくる室内小物は、従来のプリントや織物によるテキスタイルデザインではなく、自然素材の布だけを使い3次元的な構造を作るというのが特徴だ。クッションや、スカーフや、バッグなど、彼女が生み出すアイテムは、トレンドを定めたり、ある特定のテキスタイルの使われ方を示唆するということに関して、かなりの影響力を持っている。東京デザイナーズブロックの展示では、「ペーパー」という新作コレクションを発表する予定だ。「ペーパーは、ファッションから刺激を受けたものです。私はファッション、インテリア、テキスタイルデザインの境界を超えたいと考えています。“ペーパー”は80%が紙で20%が麻という特殊な布を使用しているので、紙のようにしわくちゃにしたり、使う人が独自の形をつくることができます。」

2000年、カースティーはラフボロー大学のテキスタイルデザイン科をトップクラスで卒業し、卒業制作はニューヨークのダナ・キャランのショップに買い上げされた。ロンドンでスタイリスト/インテリアデザイナーとして働く中で、彼女は自分オリジナルのデザインと製品を創作しようと決意し、程なくアムステルダムに移るチャンスが訪れた。そして彼女はこの地こそ、自分の会社をつくる場所に違いないと確信した。2003年に「OROMONO」社が誕生し、最初のコレクションが同年、パリのMAISON EN OBJECTで発表された。デザインアワードの新人賞を受賞したカースティーは、北欧やアメリカ、ヨーロッパからの注文を受け、一夜にして成功者となった。そして6月からは、ロンドン、ニューヨーク、東京、パリのコンランショップの依頼で限定コレクションをプロデュースし、バーニーズ・ニューヨークでも彼女のコレクションが扱われ、現在ではロンドンのトッテナム・コート・ロードにあるHEALSのウインドウを飾っている。

それでもやはり彼女の最大のファン層は日本人で、CIBONE(世界中から精選したデザインを東京や京都のショップで取り扱う、日本をリードするインテリア界のアイコン)は彼女の強力なサポーターの1つだ。「CIBONEから、東京デザイナーズブロックで新しいコレクションを発表しないかと打診されたとき、とても興奮しました。CIBONEはすでにマルセル・ワンダース(MOOOI)やピエット・ヴァン・デア・ホックにも声をかけており、私もこのような素晴らしいイベントに参加できるなんて、とても名誉あることだと思います。」

2005年5月、彼女はアムステルダムのVIELEERSギャラリーで、テキスタイルアートの個展を開催することになっている。「私は布が大好きだし、染めることも好きです。芸術は商業性がほとんど無い創作を可能にしてくれます。私はフレームとレイヤーと、布のレイヤーを用いた3次元の作品を創作したいと思っています。日本を訪れた時に、藍染めの職人さんと会いました。彼からはものすごいインスピレーションを得ました。彼にいくつかはぎれを譲ってもらったので、それを作品に使うことができれば、と思っています。」

カースティーは10月7日から12日まで、東京デザイナーズブロックの会場にいる予定だ。何枚か招待状が余っているので、もし彼女に会って、作品を見てみたい人は info@oromono.com までメールを。
もしくは、彼女のウェブサイト www.oromono.com をチェックするか、来年の個展まで待ってみて。

カースティー・アン・パウエル
info@oromono.com
http://www.oromono.com

Text: Ania Markham from Post Panic
Photos: Mark Visser from Post Panic
Additional photos:Courtesy of Oromono
Translation: Ryoko Ogino

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