ツジコノリコ ライブ

HAPPENINGText: Shinya Sagai

ツジコノリコという、女性アーティストをご存知だろうか?作詞、作曲も自ら手掛ける彼女は、2001年にオーストリアの実験/音響レーベル、メゴよりデビュー。現在は、パリを拠点としながら世界中で活躍している注目のアーティストだ。2月に行われたトランスメディアーレや、ソナー、ミューテックなど世界各国のフェスティバルを飛び回り、待望のここ日本でのライブツアーの皮切りとして、3月20日、雪の降るここ札幌ソーソーカフェでライブイベントが開催された。

僕が会場に入った時、すでに会場は人と熱気で溢れ、沢山の観客が、これから会えるはずの彼女の登場を期待して待っている。その一方、マイペースな今日のメインアクトである彼女はというと、いつもと何変わらずといった様子でビールを飲みながら、リラックスしている様子。

会場の照明が落とされ、まず、一人ステージに登場したのは、今回サポートメンバーとして彼女に同行しているディスコムのリオネル・フェルナンデス。彼のプロフィールにもある「MAX/MSPを駆使したハードなデジタルノイズ」の通り、彼はラップトップ1台でライブパフォーマンスを行った。ほぼ全般に渡って激しいノイズで構築された20分程度のライブ。目を閉じノイズの中に身を投じるものもいれば、スピーカーから逃れるように座り込む人など様々。

少しの休憩を挟み、耳がフラットな状態に戻ったところで、カジュアルな装いの彼女がステージに立ち、ライブがスタート。先のライブとは対照的なメロディアスなトラックからスタートし、ライブが進むにつれノイジーで壊れたトラックと彼女の透き通る歌声が、唯一無二の独特の世界へと会場を包み込んでいく。

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