トウキョウ・ゾーン 2003
HAPPENINGText: Eric Dalbin
今回で3回目となるトウキョウ・ゾーンが、10月23日から26日の4日間、パリ市内の国立図書館やポンピドゥーセンターなどを会場に開催された。定期的に行われるこのフェスティバルは、日本とヨーロッパのアーティストが、新しいテクノロジーによる音楽、ビジュアルアート、そしてパフォーマンスのもとに集うということを意図している。アートディレクターのエリック・プリズィスワは、過激で驚くようなアートディレクションで新しいアプローチを観客に仕掛けようとしていた。
今回、日本は、エキゾチックなアジアの色というよりは、ハイブリッドなイメージが強調され、魅力あふれる日本に対する、ヨーロッパのステレオタイプ的なイメージとは全く異なっていた。ジャパニーズ・アバンギャルドは、様々な影響力を統合し、新しいテクノロジーを使いこなすことで、それらをまた特殊な形で再構築していた。
後藤英と恩田晃のコンサートは中でも特筆すべきものだった。後藤は、数年前にデジタルを使った表現を始める以前は、クラシック音楽のピアニストだった。彼とダンサーの亀谷遊香とのパフォーマンス、「ボディスーツ」は映像、音そして体全てで表現され、ある種のパワーを感じた。
恩田晃は、ニューヨーク在住の、独特のスタイルを持つミュージシャンだ。彼は、日常に溢れる音をサンプリングし、そのノイズで繊細な空間を作り上げるのが特徴だ。オルタナティブシーンの象徴とも言える、トランペット奏者のジャック・ベロカルと、恩田晃のパフォーマンスは最後の夜に相応しいものだった。フランスや欧米諸国のクリエイティブ界に与える日本の影響力は、次回のこのフェスティバルへの大きな原動力となるだろう。
Tokyo Zone 2003
会期:2003年10月23日〜26日
会場:Bibliotheque Nationale de France、Centre Georges Pompidou、Batofar、Sentier des Halles
http://www.tokyozone.org
Text: Eric Dalbin
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Courtesy of Tokyozone