スケルツォ「SALE再演」

HAPPENING

映像、イラストなどの表現に、音楽やナレーションを乗せて、日常に潜む「笑い」をユーモラスに表現していく「スケルツォ」。そのパフォーマンスは、唯一無二。この日、スケルツォ・ワールドが会場のソーソーカフェを包み込んだ。


加賀城匡貴が主宰する「scherzo (スケルツォ)」は、イタリア語で「冗談」と「変わったテンポの曲」という2つの意味を持つ。彼は、その名をファッションブランドのようなものと表現する。服を扱うブティックがバーゲンをやるように、加賀城匡貴の作る「スケルツォ」というブランドも「SALE」をするのだと。基本的には、彼らは、札幌を拠点に活動しているが、今年2月には、東京や京都のクラブ「メトロ」などで「春夏コレクション」と題した全国ツアーも成功させている。その際、『関東ノリでも関西ノリでもない笑い』と評され、また、8月末に札幌で行われた、これまで過去に発表した作品を集めた旧作コレクション「SALE」では、約300枚あったチケットが完売するほどの人気を高めている。この日の「SALE」もソーソーカフェを沢山の観客で埋めつくした。

会場正面にある大スクリーンの横に向き合うように置かれた2本のマイクスタンドとDJブース。これからここで何が始まるか、と期待と想像を膨らませる。客がみな席に着き、そしてDJが音を止め、照明が落とされると、後ろのドアからスーツに身をまとった男性2名が入場した。最後の挨拶で明らかになったのだが、彼らは、メクリストと呼ばれ、主に台本のページをめくるのが役目だ。しかし時には、歌う踊るなどして会場を盛り上げる。そしてその2人が席についたすぐ後に、加賀城匡貴と2人のナレーターが、マイクの前に立つ。いよいよ開演だ。

そのパフォーマンスは、主にショートプログラムを次々に淡々とこなしていく、いわば音響や映像を駆使した現代版紙芝居。舞台の中央に据えられたスクリーンに映像やイラストを映し、それに合わせてナレーターがセリフを入れ、DJが音楽や効果音をつける。それぞれが独自のストーリーを持つ約20本の短い映像などで構成され、さながらオムニバス映画といった趣きだ。観客の中には声を出して笑う人もいれば、にやけるだけの人、その中に全く笑っていない人も数多くいる。しかし、公演の度に必ず行われる会場アンケートからは面白くない、などという声は大体2〜3人程らしい。このことからもスケルツオが、単に「笑いだけ」ではないエンターテイメントという事が分る。

加賀城匡貴のつくり出す笑いの世界は、腹を抱えて笑うような「笑い」とは違い、表情に出ないけどおもしろく感じる、自分の内側にぽっと灯る、そういった「笑い」を表現する。日常に溢れるものに、彼のフィルターを通して見慣れた日常からそのモノ達をいかにアレンジし、面白く紹介できるか。人間が作るものには、ユーモアがある。それがスケルツォのテーマだ。
来年は、海外や全国での公演を目指してるという。彼のブランドをその目で見れる日はそう遠くはないだろう。その際は是非一度見て欲しい。もしかしたらあなたは、笑うことはできないかもしれない。でも決して損はしないだろう。

SCHERZO「SALE再演」
日時:2003年11月23日(日)19:30〜22:00
会場:SOSO CAFE(ソーソーカフェ)
住所:札幌市中央区南1西13三誠ビル1F
料金:前売 2000円 当日 2500円(共に1ドリンク付)

Text and Photos: Shinya Sagai

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