「脳トレ!パッとブック」
THINGSText: Asami Miyamura
2008年2月、スケルツォの加賀城匡貴監修による「脳トレ!パッとブック」が、教育画劇から出版された。
SHIFTでも取り上げたことのある、ユーモラスなステージパフォーマンスが魅力のスケルツォ。そのスケルツォのアイディアを考えている、加賀城匡貴による新感覚の脳トレ本だ。
大きく「パッ」という文字が目に入るボックスに入った4冊の本は、漢字の部首や言葉を使った国語、地図や歴史を使った社会、単位や数字を使った算数、自然や科学を使った理科の4科目に分かれている。内容は、私たちの知るようなゲームの素早い計算や暗記ではなく、身近なものをテーマにした問題で、自分からやってみたいと思わせるようなものだ。自分のペースでページをめくりながら進められるので、子供や友達と一緒に楽しむこともできる。問題の他にも、ひとやすみコーナーや、チュデントというキャラクター、4コマ漫画などもあり、ユーモアのある笑いも味わえる。
その4教科を1教科ずつ紹介したい。
「国語で脳トレ!」は、漢字の部首をパズルのように遊んだり、擬音語を自分で想像してみたり、熟語のしりとりなど、漢字や言葉の遊び感覚でできる問題ばかりだ。
反対語を使ったゲームでは、普通に考えてもわからない。この問題に出てくる言葉は信号や時計などの身近な物から来ているのだ。私たちが学校で習ってきたことではなく、私たちの日常の中から問題が作られている。
「社会で脳トレ!」は、各地の様々な標識、おもしろい地名、キリンの等高線、歴史年号のゴロあわせ、世界の犬の鳴き声などの問題で、楽しく社会を勉強できる。
方言の問題は、全然わからなかったがおもしろい。左の文章と右の方言を正しく組み合わせるのだが、東京にこんな方言があったのかと感心してしまう。
社会の問題では、知らなかったことを楽しく知ることができる。身近なものを問題にすると、こんな風になってしまうのかと思わせる。
「算数で脳トレ!」は、日常に隠れた図形を探したり、億から無量大数までの単位、いろいろなグラフなど、数字や図形などに関した問題だ。
違う国や違う時代の見たこともない落書きのような数字をごちゃまぜに使った計算は、学校の算数で習った計算よりもずっと楽しく、調べないとわからないけれど、自分からやってみたいと思えるおもしろい問題だ。
「理科で脳トレ!」では、生き物のクイズ、身近な物の科学、天気の問題、星座など、すぐに実践できるようなことが問題だ。
動物や植物などの、自然の中にあるデザインを見つける問題がある。木などの模様を心霊写真と言ったものや、動物の模様、毎日の暮らしの中で目にしている自然を真似たデザインなど、日常の中の発見がおもしろい問題だ。
この「脳トレ!パッとブック」を実際にやってみたが、本当に子供も大人も楽しく遊びながら学べる。友達と一緒に問題を解いて盛り上がったり、一人で集中して問題を解いて楽しんだり、この本の楽しみ方は人それぞれであると思う。そしてこの脳トレは、日常の中に隠された問題がとても多く、本を読んだ後は自分で歩きながら問題を見付け、楽しむことができ、その場限りではない魅力をもっている。人に教えたくなる魅力的な本だ。
「脳トレ!パッとブック」
国語で脳トレ!/社会で脳トレ!/算数で脳トレ!/理科で脳トレ!
セット定価:12,600円(税込) 各巻定価:3,150円(税込)
仕様:全4巻、AB判、各72ページ、小・低学年〜一般向け
出版:教育画劇
TEL:03-3341-3400
https://www.kyouikugageki.co.jp
Text: Asami Miyamura