アルネ・ヤコブセン展

HAPPENING

アルネ・ヤコブセンの生誕100周年を記念して、現在ハンブルグの「ダイヒトアノルン」では、彼の展覧会が開催されている。ヤコブセンは、1930年から70年代にかけて活躍したデンマーク人建築家。完璧主義で知られた彼はまた、デザイナーとしての顔も持つ。例えばコペンハーゲンにあるSASホテルも彼の作品だが、ここでは建築的な要素に関しては−切ノータッチ。ランプや家具、壁紙、陶磁器類、食卓用金物 (ナイフ・フォーク・スプーン)など、全体をひとつのアートとして構成したことで有名だ。そんなヤコブセンが影響を受けたのは、シンプルかつ機能的な家具を制作するバウハウス。しかしヤコブセンが最も好んだ作品は、60年代スタイルを彷佛とさせる「SWAN」や「EGG」といった手すりがついている椅子だという。

展覧会場に一歩脚を踏み入れると、まずはプライベート写真や水彩画、それに建築模型などが目に入ってきた。もしかしたらこれは、僕が必要以上に期待し過ぎていただけのことだけかもしれないが、どれもおもしろいものばかりにもかかわらず、何だか物足りなさを感じてしまったことは否めない。その後の展開も、椅子が円を描くように配置されてあったり、僕でさえも以前どこかで見たことのあるティーポットや灰皿が展示されてあったり、伝説的なSASホテル606号室の再現バージョンがあったり、というだけ。どうしてそんな伝説的な一室にヤコブセンがデザインした机に、その時代には絶対なかった今風のコンピューターを置いたのかが謎である。

思わず笑ってしまったのは、バスルームを展示スペースでのことだ。そこでは、展示物を触らせないようにとある種の囲いがされていたのだが、みんながみんな、それを無視してシャワーヘッドなどを平気で触っていたことだ。もちろん美術館ではこれは観客としてやってはいけない行為。しかし、この展示の仕方がいかにもショールームのようであるために、どんな人でも(もちろん僕も含めて)自然に手が伸びてしまうのである。警備員が何度も、囲いの中に入らないように注意している姿を目撃したのは、言うまでもない。

ARNE JACOBSEN展
会期:2003年5月3日(土)〜8月31日(日)
会場:Deichtorhallen Hamburg
住所:Deichtorstrabe 1 – 2, D-20095 Hamburg, Germany
TEL:+49-40-32-1030
info@deichtorhallen.de
www.deichtorhalle.de

Text and Photos: Andrew Sinn from Deco-Vision
Translation: Sachiko Kurashina

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE