ベータラウンジ・ハンブルグ

HAPPENINGText: Andrew Sinn

今月は、ベータラウンジの「ライブ」について書こうと思う。そのベータラウンジの根本的な概念は、オンラインでコンサートを行うというもの。ミュージシャンやDJがクラブでパフォーマンスを行い、それらの音楽がインターネットのライブストリームを通じて、世界中に発信されるのだ。しかし、インターネットラジオのようになってしまいがちな、アーカイブにある音楽のセットが存在することによって、彼らのこのアイディアは前途多難なようにも思えた。そのような背景もあるので、この記事を読みすすめる前に、まず最新のストリームを見ていただければと思う。

全ての始まりは、数年前のサンフランシスコ。そしてそのアイディアをハンブルグに運んだのが、ヘイコ・ジャンケ(通称「ターンヴァダー」)、オレ・ルトジェンス(通称「サンチェス・デ・ウィット」)、オリバー・テスロフ(通称「オルト」)、ニルス・バチャー(通称「ニコ・パレルモ」)だ。ベータ・ラウンジのセッションが行われるのは、毎週土曜日午後4時から10時まで。主催者自身がパフォーマンスを行うことも時にあるが、大抵はエレクトロミュージックの現場で活動する地元や海外からゲストを招いてライブを行っている。


The Bar

ベータラウンジを行うことは観念的な出来事と語るニルス。実際にサーバーに支払う料金は、ドリンクを売ることで得たお金で賄われている。ライブが開催される場所は、“ハンブルグ大使館”と呼ばれる建物で、ここではベータ・ラウンジのメンバーだけではなく、その他のフリーランサーやアーティストがオフィスをシェアしながら活動を行っている。


DJ Raf Le Spoink recently celebrated his 40th birthday!

今日(11月23日)行われているのはMFOCのセッション。今まさに、ラフ・ル・スポインクがDJパフォーマンスを行っているところだ。彼の前にパフォーマンスを行っていたのは、スーパーデフェクト。ラップトップを使用してDJプレーを披露。ここでは、彼のトラックのひとつを視聴することができる。「エイブルトン ライヴ」というソフトウェアを使って、再編集された彼のトラックのライブを行っているようだ。
ここでちょっと休憩。トイレに行ったり、ゲームをしたり、お酒を楽しんだり、写真を撮ったり、やることはいっぱいある。ここでもう一度休憩。


Kandisquer

ラフ・ル・スポインクの後に登場したのは、カンディスカー 。コンピューター、キーボード、そして彼の声を駆使したパフォーマンス。ちょっと彼のテンションを上げさせてみようと、何百万人のネットユーザーが今君のパフォーマンスを見てるよ、と教えてあげた。とにかく、彼をパフォーマンスの最中にちょっと連れ出すのは本当に大変だった。しかし、様々な音や形のミックス、そして時にスローで、優しくて、時にクラッシュでワイルドで、テクノ、エレクトロニックな体験、アンビエントなサウンドスケープ、ネオンポップ、スパートラッシュという多種多様な分野の間にあるのが、彼の音楽なのだ(カンディスカーのシェアメイト、ステファンの言葉より)。

「俺って本当にばかだな!」と自らを称すカンディスカー。彼の一番のヒット曲「フォーリン・マシーン」でパフォーマンスを終了したカンディスカー。そして今は、スーパーデフェクトが再度プレイを行っている。今回はトラクターというMP3ミックスのソフトウェアを使って、ディスコブレイクをクレイジーにミックスしている。

もうそろそろ午後10時。パーティーも時期に終わる時間だ。僕もここでペンを置こうと思う。ではまた!

Betalounge Hamburg
Address: 67 Sternstrasse, Hamburg
https://www.betalounge.com

Text: Andrew Sinn
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Andrew Sinn

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