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ワーゲンボウ

PLACEText: Daniel Goddemeyer

ハンブルグを拠点に活動する、音楽プロダクション MFOC(Music For Our Children)がこの度、ショーケースを開いた。時は2月15日。場所はハンブルグ市内でも特に若者が集うシャンツェン地区のど真ん中にあるワーゲンボウだ。

そのレベルの高いIDMとエレクトロニック・ミュージックで、ハンブルグ内外でもその名が知られているMFOCに所属するアーティスト達。そんな彼らが今回のイベントで発表した曲はやはりどれも良いものばかりだった。通常彼らはレギュラーとして、ゴールデン・プードル・クラブで毎週日曜日にパフォーマンスを行っており、ファンクストラング、ジミー・テナー、チェシーといったアーティストを過去に紹介している。

ワーゲンボウで夜のひとときを過ごそうと思ったのは、どうやら正解だったようだ。ハンブルグのクラブシーンは上々だと言えるが、しかし、例えば新しいクラブがオープンした際や、移転した場合のイベントがそれほど多くはない。ザワーゲンボウはほんの2週間ほど前にオープンしたばかりだが、ドイツ北部のクラブシーンの中では、かなり上質なクラブだ。


© Rasande Tyskar

クラブの名称である「ワーゲンボウ」は、かつてこの場所が計量器販売店であったことから由来している。その販売店の商売が右肩下がりになり始めたのが、ちょうど1年前。そんなロケーションは、新しいクラブを始めるには完璧だった。このクラブがちょうど高架下に立地していることから、ハンブルグでは特に問題視される、爆音の音楽をかけたり、パーティーを催したりすることも、近所の迷惑にはならない。

まだオープンして間もないからだからだろうか。クラブの内装からはまだまだ、スパルタチックな印象を感じられ、そのことが、かえって居心地よくお客さんを長居させる、今までにないパーティーを作り出しているようだ。クラブには2つの空間があり、ちょっと休憩したり、友達を話したり、新たな出合いの場に最適なのが、バーのあるエリア。もう一つの空間は、バーよりも若干大きめ。普段はコンサートなどが開催されている。ワーゲンボウのコンセプトは、幅広い種類の音楽スタイルを紹介すること。どんな音楽でもウェルカムだ。

例えば毎週火曜日は、恒例のレゲエ&ヒップホップナイト。主催しているのはおそらくエイムズブッシュのはず。これは、ハンブルグで活動するヒップホップアーティストの中では、かなり有名なレーベルだ。毎週金曜日はファンク・アンド・ソウルナイト。週末は大方、様々なアーティストがオーガナイズしたエレクトロニック・ミュージックを楽しむことができる。

今回僕達がこのクラブに脚を運んだのは、DJのラインナップと出演者が良かったから。その夜のオープニングを飾ったのは、ニトラーダ。ハンブルグでエレクトロを表現する人物で、彼のIDMは本当に素晴らしかった。次に登場したのは、キスキスバンバン。彼らのライブ形態は有名で、彼ら自身の音楽、サウンド、そしてオーディエンスの事まで考慮している姿勢は有名だ。テレコマンダーのパフォーマンスもおもしろかった。彼は、実験的なエレクトロニカを専門にしたアーティストで、クラブの注目を大いに集めていた。

地元に新たな風を吹きこんでいるのが、カンディスクエア。こちらも素晴らしいパフォーマンスを披露。その日の夜、その場にいた300名のお客さんに、しっかり受け入れられたようだ。全てのパフォーマンスは、地元、そしてMFOCのDJの楽曲の中で行われ、そのこともあってか、大成功の一言につきる内容だった。

Waagenbau
住所:204 Max Brauer Allee, 20676 Hamburg
schierhorn@gmsgbr.de
https://www.waagenbau.com

Text: Daniel Goddemeyer
Translation: Sachiko Kurashina
Photo: © Rasande Tyskar

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