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オス・ジェメオス

PEOPLEText: Aya Muto

サンパウロ出身の一卵性双子兄弟、グスタボとオクタビオがカリフォルニアにやって来た。片方が言い始めた言葉をもう片方が受けて結ぶ、というやりとりが普通の二人は、オス・ジェメオス(OS GEMEOS:ポルトガル語で「双子」)という名で制作活動に臨む。

その名にふさわしく、二人のやることには境界線がなく、片方が書き始めた絵をもう一人が仕上げている。「同じことが好きだから同じことをしているだけ」とさらっと言いのけては、人懐っこい笑顔を見せたりする。


1998年以来、精力的にヨーロッパなどに遠征ツアーに出ていたオス・ジェメオスもアメリカでの個展は(2001年のトキオン・ニューヨーク・ストアのオープンの際、入り口の壁画を手がけたものの)ラゲッジ・ストア・ギャラリーが初の展示となった。

ローリー・レーザーとダリル・スミスによって運営されるラゲッジ・ストアは「ミッションスクール」と称されるストリートアートムーブメントの中枢をなすクリス・ジョハンソン、アリーシャ・マッカーシーなど地元サンフランシスコのアーティストを多く見せてきたパブリック・アートに強いギャラリー。オス・ジェメオスの個展「PAVIL」そして双子の渡米はひとえにラゲッジストアの1年がかりの準備の成果である。滞在中にレーザーの仕立てでロサンゼルスのニュー・イメージ・アートの新スペースを個展「BREAK」が飾ることにもなった。

尊敬されるストリートアーティスト、バリー・マッギーが南米でのアーティスト・レジデンシーを終えた後、地元サンフランシスコに持ち帰った土産話のうちの一つにオス・ジェメオスのことがあったのをレーザーは鮮明に思い出す。『あれは1993年のこと。バリーがサンパウロの道端で双子の手がけた壁を見つけ、その下に「壁画書きます」と残されてた番号に電話をかけたところから友情が始まるのよね。』壁画文化の独自性と豊かさで知られる南米の中でもユニークな作風と完成度の高さで、グラフィティー・ライターを越えたところで光を放っていたオス・ジェメオスの活動をアート・クライムなどを通してずっと追っていたとレーザーは言う。

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