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オス・ジェメオス

PEOPLEText: Aya Muto

80年代のニューヨーク発のヒップホップカルチャーに震撼され、後に自分たちのスタイルを確立するオス・ジェメオスは、爆竹と火に多大なる執着をみせる。絵本から出てきたようなノスタルジア漂うキャラクター達の多くは爆竹を(しかもダイナマイト級の本格的なもの)持ち、その火は蛍光ピンクなどの明るいスプレーペイントで彩られる。ギャラリーの壁にも異例なく、爆竹発火の後がつけられる。『この石が爆発音を出すんだよ』と器用に爆竹を分解して火薬だけを残すなどという周りを配慮した優しい行為のなかにも、火炎類のエキスパートがのぞく。5歳のころから与えられたおもちゃの家を燃やしては遊んでいたというオス・ジェメオスにとって炎は永遠の「遊び」の要素なのかも知れない。

南米特有のペイントローラーを使ったペインティング、魔術師のような器用なスプレー缶使い、シグネチャーでもある黄色使い、そして直線を使った独特のレタリングなど様々なスタイルを誇るオス・ジェメオス。地元サンパウロに帰ればスプレーペイントのメーカーにスポンサーされた(もうすでに2年来の付き合いとか)壁画プロジェクトに従事しなくては、と2ヶ月近いカリフォルニア滞在が終りに近いことを示唆する。旅をし始めたのはギャラリーで見せるようになった98年ごろから、という二人は今もサンパウロの空気を深く吸って生きている。

『旅すると何と言っても人に出会える。ギャラリーでの展示はその状況に合わせたプレゼンテーションへの挑戦だけど、僕らはどこであってもペイントさえできればいいんだ。それがすぐに消されるような環境であってもね。これが僕らのやることだから。』サンフランシスコ、ロサンゼルスの至る所にオス・ジェメオスの存在の証が、今のところはまだ残されている。

OSGEMEOS “BREAK”
会期:2003年3月7日〜4月5日
会場:New Image Art
住所:1005 N. Fairfax Ave., Los Angeles, CA 90046
https://www.newimageartgallery.com

Text: Aya Muto
Photos: Aya Muto

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