第16回シンガポール国際映画祭

HAPPENING


毎年多くの人々が、その開催を楽しみに待つ映画祭が今年もやって来た。今回で16回目を数えるシンガポール国際映画祭では、多種多様な映画を紹介。そのさまざまなジャンルのミックスで、幅広いオーディエンスを対象としている。

映画大好きっ子ならば、ビデオレンタルの常連客かもしれない。しかし、今回の祭典では、世界40カ国以上から集められた300点を越す作品を紹介。その中には、シルバー・スクリーン・アワード、アジアン・フィルム、ワールド・フィルム、シンガポール・ショート・ショーツ、アジアン・デジタル・ショートツなど、多くの祭典で輝かしい賞を受賞した作品もある。

ここシンガポールで活動する新進気鋭のディレクター、ロイストン・タンの作品「15」は、その中でも注目を集めた作品のひとつ。同題で、カットが施されていないバージョンも用意されており、これは、よく問題視される、シンガポールのシステムの中に生きる、3人の若者の姿を映し出した作品だ。世界各国でさまざまな賞を受賞したこのショートフィルム作品は(第6回タイ・ショートフィルム&ビデオ・フェスティバルで最優秀ショートフィルム賞受賞、第15回シンガポール国際映画祭で、スペシャル・アチーブメント賞受賞)、普段はあまり目にすることが少ないシンガポール独特の風景を交えながら、刺激的な情景をとらえている。

地元のフィルムシーンの活性化を促進しながらも、今回の祭典では、過去のシンガポールの映画最盛期にも注目。特にキャシー・スタジオ・レジェンズは、シンガポールの映画業界が最盛期だった頃に特別な敬意を表している。50年代のシンガポールの映画業界はまさに、マリア・メナードとグレース・チャンが注目を集めていた時代。今回の祭典では、彼女らが出演した作品と共に、過去の名作が数多く紹介されている。

「SUMPAH PONTIANAK」は、マリア・メナードがポンティアナック(マレーシアで信じられている、出産の時に亡くなった女性の魂)を演じている作品。美しい女性の魂が、夜中に男性や妊娠中の女性のあとをそっとつける、という話だ。

「MAMBO GIRL」は、中国では重要なミュージカル作品のひとつ。グレース・チャンが、彼女が持つ歌唱力を存分に発揮している作品だ。彼女が演じているのは、音楽を生き甲斐とする少女の役。しかし、彼女は里子である、という事実を知った瞬間から、彼女の人生の歯車は狂いだす。本当の両親を探し求める旅が始まるのだ。

あの時思い描いていた未来が、今目の前にある。ショート・フィルムやデジタル・フィルムの人気や認識が高まる中、このような祭典の開催は必然的である。シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、そしてインドネシアといった国々で制作されたさまざまなショート・フィルムを紹介する事は、ショート・フィルムを愛する人々にとっては、最高の喜びなのである。

過去の素晴らしい作品ばかりではなく、現代の作品も国際的なスケールで紹介する、この第16回シンガポール国際映画祭。誰の心にも深く刻まれる祭典になることだろう。

16th Singapore International Film Festival
会期:2003年4月17日〜5月3日
http://www.filmfest.org.sg

Text: Fann ZJ From npsea Enterprise
Photos: Courtesy of Singapore International Film Festival Ltd.
Translation: Sachiko Kurashina

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