アートフューチュラ 2002

HAPPENING

アート・フューチュラ」は、コンピューターに関連したグラフィックアートのフェスティバル。13回目を迎えた今年は、この祭典が一番最初に催された都市、バルセロナにて開催された(昨年までは主にマドリッドにて開催)。スペイン国内はもちろん、ヨーロッパで活躍するデジタルアーティスト達にとっては、重要なイベントだ。


フェスティバル期間中、いくつかのワークショップも開催。例えば、アレックス・グローの「シュレックからスパイダ-マンまで」という特種効果に焦点を当てたものや、ナブディア・コープの「シネマとビデオゲーム間の集中性」、3Dスタジオ・マックスのマーク・デ・ミキュエルとナボラマの「携帯電話用の高度なアプリケーション」、その他、ジョルディ・アロンソ、サン・マクロシステムズ、モーション・グラフィックスのジャビエール・ムラッド、メディアルナなどがオープンディスカッションに参加した。その他、今年スペインや世界中で制作されたデジタルアニメーションの秀作、ゲーム、ミュージックビデオ、フィルムグラフィックス、3D、特種効果、そしてアートと見なされるコンピューターに関連するものすべてを、このフェスティバルでは楽しむことができた。また、デジタルアート、グラフィック、そしてモーションについてのカンファレンスも同時に開催された。

オーディオビジュアル部門の一貫として、デジタルフィルム・フェスティバル「 レスフェスト」からの素晴らしい作品や、イギリス人アーティスト、シャイノーラの作品も紹介された。

ビデオゲーム部門では「MADDEN NFL」のデザイナー、アーネスト・アダムスと、コマンドスの創設者であるスペイン人のゴンザロ・スアレズが、アートとゲームに共通するアイテムや、エレクトロニック・レジャー・ビジネスにおける新しいムーブメントについて意見を交わした。

3Dについてのセッションと、視覚効果についてのセッションの間には、映画「指輪物語」でデジタル効果を担当した「WETA DIGITAL」が登場。アニメーションの監督を努めたアダム・ヴァルデスが、制作過程について語った。映画スパイダーマン(ソニー・ピクチャーズ)のテクニカル・ディレクターとして活躍したスペイン人のアレックス・グローは、映画「AI」と「シュレック」のプロジェクトと共に、彼の体験談を発表した。



ライブエキシビジョンでは、通常の美術館では体験できない興奮を味わうことができた。ポール・フレンドランダーによる光彫刻は、リアルタイムでアート作品を制作することについての証明とも言える作品だ。

「これら2つのインスタレーションにはそれぞれ、ハイパーソフィアーズ (ハイパー球)、ザ・ウェイブ・エクエイション(波の均等化)という名前がついています。数学的なテーマを選んだのは、ケンブリッジ大学の教授でもあり、ザ・ロイヤル・ソサイエティーの特別研究員でもあった私の父、FG・フレンドランダーに敬意を表するためです。父は昨年亡くなりました。父にとって波は永久的に追い求めていた興味の対象でもありましたし、また私も強くひかれています。ザ・ウェイブ・エクエイションは、父の本「ザ・ウェーブ・エクエイション・オン・ア・カーブド・スペース・タイム」(湾曲した空間時間における波の均等化)からとりました。ハイパーソフィアーズは昨年制作した作品ですが、更に大きなハイパーソフィアーズと、3Dによるデータプロジェクションも追加しました。ザ・ウェーブ・エクエイションは、このイベントに向けて制作した作品です」。ポール・フレンドランダー


写真からも御覧いただけるように、天井から吊らされた螺旋状のロープから光が発せられる。光と自転車の車輪だけで作られているにもかかわらず、そこからはデジタルアートのホログラフィック的な感覚が感じられた。

「OCHOPOROCHO」では、このフェスティバルのために制作された、HI-RES!MICROMUSIC.NETコミュニティー、JODITEAM CHMAN、ROBOTDUCK、GAMELABの作品が紹介された。

「エレクトロニックミュージックと、ゲームカルチャーは共に成長しています。安価な家庭用テクノロジーによって、クリエイティブな自主性が可能になり、この2つのカルチャーに対する人気を高めていると言ってもいいでしょう。大規模なビデオゲーム企業が既に、ハリウッド映画の制作費を牛耳っているように、エレクトロニックミュージックのカルチャーと同様、ゲームカルチャーも楽しく、不遜なオーディオビジュアルのミックスのなかで、アンダーグランドと産業を一つにしているのです。」フィフティ・フィティのサイトより抜粋。

「キャンパスとしてのウェブ」では、10名のアーティスト・プログラマーによって制作された、誰もが一度は経験したことのある「コードについての問題」に関する具体的なインターフェイスが紹介された。その中でも、AREA3 (バルセロナ)、カルク、エントロピー8スーパーマーク・ナピエール、リア・アンド・デクストロ、ジョン・サイモン・ジュニア、インサートサイレンス、アントニオ・メンドーザ、ジョシュア・ニモイスコット・ドラベスペドロ・ソラ-の作品が素晴らしかった。

「ネットワークにおける未来の音楽」というカンファレンスを行ったのは、バルブスターのパブロ・ソト、フリー・ミュージックのナーチョ・エスコバール、フィフティ・フィフティのペドロ・ソラー。コマーシャル用、またノン・コマーシャル用音楽の著作権侵害は、音楽業界が望むようなものから、大企業のあり方に影響を及ぼしているのではないか、という論議が交わされた。また夜には、チームテンドー(フランス)、グウェム&グウェメテス(イギリス)、ザ・C-メン!(オランダ)、ワンガンモンスタ(スイス)などによるプレイタイムを楽しむことができた。

驚くべき作品を発表したのは、「THE SCENE」というグループ。この祭典自体を一つの「アート」としてとらえ、64kという限られた容量内で、「イントロ」という素晴らしい3D表現と環境を可能にした。このような限られた中で、あのような素晴らしい作品はどのように作られたのだろうか?すべてリアルタイムで再生できるように制作されたのも、特筆すべき点。つまり、その場で目撃していることすべてが、コンピュ-ターに関連したものなのだ。この作品に関するパーティーも、バルセロナ市内でいくつか行われた。その様子は「BCNパーティー・アートフューチュラ2002」のサイトで見ることができる。プロジェクション、DJ、アーティストの写真とリンクなど、盛りたくさんな内容だ。

BCN・デモ・パーティー・アートフューチュラ2002の受賞者は以下の通り。
「ファスト・コード」部門:イサック2。「ファスト・GFX」部門:ショック。「ファスト・ミュージック」部門:DJラモン&DJデイビッド。「GFX 2D」部門:ショック「インマキュラダ・コンセプション」。「GFX 3D」部門:ワンスク8マン「アルディラ」。「SID」部門:フィナ-「N340ブルース」。「チップチューン」部門:イェッパ・ジョス&ウィザード。「マルチチャンネル」部門:スマッシュ「ソウル・アダクター」。「ハイ・クォリティ」部門:アルミダス「ムーブディーマ」。「ワイルド」部門:アスナー「レラザス01」。「イントロ4K」部門:フュージョン「ブラーサックス」。RGBA 「パラダイス・イズ・カミング」。「デモ」部門:ボア「ペトロレロ」。

またこのフェスティバル開催中には、バレンシア地方にある科学博物館「プリンシペ・フェリペ」にて、アートフューチュラで上映されたアニメーションの数々が公開された。本会場で上映された作品を見れることもあり、地元の人々は喜んだに違いない。

「インフォグラフィ」は、スペイン国内では最も重要な賞。学生、企業、教育団体が昨年中に制作した素晴らしい3D作品や特種効果がなされた作品に与えられる賞だ。会場にいる観客の投票によって勝者は決定される。「ザ・ウェット・ペット」を制作した、プレゼミスロー・サージェアントとディビッド・ノッチボーリが 、今年の受賞者として選ばれた。

プラスチッジ・ショートフィルムを制作している「The Cathedral」は、SIGGRAPH での最優秀ショート・アニメーション・フィルム賞受賞に引き続き、今回もこの祭典で行われたコンペティションにて1位を獲得した。

この祭典が開催された当初は、ビデオゲーム作品を主に受賞対象としていたが、今回はソニーのプレイステーションが仲間入りしたこともあり、1位受賞者には、6000ユーロ(約72万円)が授与された。ダニエル・サンチェス・クレスポ(ユニバ-シダッド・ポンピュ-・イ・ファブラのビデオプログラミングのディレクター)、マルセル・リ・アンチュネス(アーティスト)、ゴンザロ・スアレス(アルビラゴのビデオゲーム・ディレクター)、ニュリア・ディアス(ザ・エリサヴァ・デザイン学校マルチメディア科ディレクター)、アーネスト・アダムズ(ブルフロッグ・スタジオのビデオゲーム・デザイナー)、そしてアート・フューチュラからは、ジャビエール・キャンデイラが審査員として参加した。

作品総数は50作品以上。以下が、その中から厳選された作品だ。

1)最優秀賞、賞金 6000ユーロ:作品名「INNSONIK」、制作者・INNOTHA
2)以下特別賞、受賞者には「プレイステーション2」のスペシャルエディション授与:

ベスト・フィニッシュ・ビデオゲーム賞:作品名「SPACEFIRE」制作者・BRUNO ROSSI & STEFANO MARTINO
ナラティブ賞:作品名「ADVENTUM」制作者・FRAN VAZQUEZ、LUIS ROJO、JOSE LUIS MARGUEZ

オリジナリティ賞:作品名「OFFICE RACER」制作者・OSCAR ZURRIAGA、VICTOR ZURRIAGA、AGUSTIN CAJA
美学賞:作品名「LA FUGA DE MIGUELITO」制作者・GLAZNOST
ベスト・テクノロジー賞:作品名「DUALITY」制作者・TONI SANCHEZ、OSCAR PEREZ
特別賞:作品名「DEVIL BY MISTAKE」制作者・DEVILISH GAMES

Art Futura 2002
会期:2002年10月31日〜11月3日
会場:Estacion de la Communicacion, Despacho 3102
住所:Paseo de Circunvalacion 8, 08003 Barcelona, Spain
www.artfutura.org
artfutura@artfutura.org

Text and Photos: Daniel Ramirez Centurion, Maria Paz Pedreros from D76
Translation: Sachiko Kurashina

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