アーバン・ディシプリン展

HAPPENING


GETTING UP」は、長年に渡りグラフィックデザインを手掛ける、ダイム、ダディ・クール、タセク、ストヘッドという4人のアーティストによって設立された。キャンバスにスプレーを吹き掛けること以外にも、展覧会の開催、ウォールペインティングやウェブサイトの制作も行っているグループだ。「URBAN DISCIPLINE」は、毎年好例で開催しているグラフィックアートの展覧会の名称で、今年で3回目を数える。港近くにあるハンブルグのアミューズメント地区、セント・ポールにある「ASTRA」というビール醸造所のビルで、この展覧会は行われた。

世界中から集まった34人のアーティストが参加したこの展覧会。スプレー作品からインスタレーション、彫刻、はたまた奇抜な風景についての言葉からキャラクター、抽象的なものまで、様々なグラフィックアートが発表された。

上に見えるのは TOASTのグラフィック作品。彼の奇抜な3次元オブジェは、文字がベースになっている。オブジェの中に隠れている彼の名前の文字を探してみよう!


上部の画像は、ダイムのペインティング。キャンバスにスプレーで描かれており、それによって3Dの文字がとてもソフトに見える。彼には色の使い方において、かなり中和的なセンスがあると思うし、作品の上部に色が散りばめられている事で、ペインティング自体にダイナミックな動きをつけている。
彼はまた、作品の細部に渡る写真も撮影。ペインティングのベースとなる構造等、ひと味違った方向から作品をみることができる。

更に違ったテイストのスプレー作品をもうひとつ。「COOL IN THE MIRRO」という題名がついているのは、左の作品。「COOL」という言葉が、鏡に映されたように逆になったバージョンで、右下の作品にある緑のオブジェが「C」を映しているんだ、とダディ・クールが教えてくれた。

彼がタイポグラフィをペインティングするのが好きなのは、それがグラフィックにおいて必要不可欠な事だと考えているところにある。「読んでもらうためにあるのであって、それと同時に、それらは部外者にとっては何でもないものなのです」と彼は言う。書いたものを説明したり、その綴りを言ったりするのを彼は嫌いだ。それは、作品への表面的なアプローチを、彼が好まないことにある。彼の興味のほとんどは、色の構成、革新、インスピレーション、アーティスト個人のスタイルとテクニックのユニークさに注がれている。彼のスタイルがある限り、彼独特の世界をどこまでも追求できるのだ。「今は、自分について話すのが好きです。でもその反面、私はもの静かで静観的なところもあるし、果断な部分もあるし一本気なところもあるのです。それらが私の作品では表れています。」

「強い認識がある上でのオリジナルのスタイルを作る事は、ほとんどのグラフィックアーティストにとっての目的でもあるのです」と、ダディ・クールは言う。「スプレーアーティストがよく悩まされる事がある。それはペンネームだ。アーティストは作品を完璧にし、要素を付け足したり取り除いたりするものだ。もしその人だけそのペンネームを読む事ができれば、その文字はそれで完璧なものなのだ」

ダディ・クールは、この「URBAN DISCIPLINE」展覧会の発起人の一人でもあり、世界の至るところでの展覧会開催に強い興味を示している。もしなんらかの形で展覧会に関わっている方は、是非彼に連絡を!

私のもう一つのお気に入りは、バンクシーの作品だ。彼のグラフィック作品では、あらかじめ用意されてあるステンシルが使われている。街中に彼のアイデアを広めるには、これは完璧な方法のように思われる。この強くて、刺激的で、そしてオリジナルな彼のモチベーションは、とても良いと私は思う。展覧会では、血のようにも見える赤い色を床や壁にまき散らしたバンクシー。その上に白で死体のアウトラインを描き、その内のひとつはかぎ十字(ナチスの関係上、ドイツではかなり刺激的なものとして認識されているナチスドイツの国章)でデコレーションされているものがあったり、はたまたナイキのマークでデコレーションされているものもあった。
かなり笑ったのは、牛にライティングした作品だ!

「A LOGO AS A NAME」という作品は、オリバー・スタックスのグラフィックアートの全てを語っていると言えよう。替わりにロゴを使用するというアイデアで、彼自身の名前を取り替えている作品だ。


テクニック的に印象的な作品を制作したのはゼッズ。キャンバス上にシルクスクリーンのプリントを施す作品(上)では、かなり激しい色が使われており、コンピューターグラフィックの精密さとクリーンな完璧性が組み合わされていることで、実際のプリントは見えなくなっている。彼のライティングは、東アジアのライティングとパッケージデザインに影響を受けているようだ。

これはサエックのペインティング。彼の作品の多くが、未来的でオーガニック的なオブジェを描いており、それらのオブジェは、宇宙ステーションか宇宙クラフトと昆虫の中間的なもののように見える。彼のスタイルがスプレー缶を使ったもののように思われるのは、基本となるオブジェのトップ部分に(細い)線を沢山使うからだろう。

以下の作品は、ヴィアグラフィックというグループによるもの。彼等はゼッツ同様まだ学生だが、黒、赤、銀色でコンピューターグラフィックとシルクスクリーンを組み合わせた作品を多く制作している。

Urban Discipline 2002
会期:June 26th to July 2nd, 2002
会場:Astra-Hallen
住所:Bavaria St. Pauli Brauerei Bernhard-Nocht-Strase, 20359 Hamburg
contact@getting-up.org
http://www.urbandiscipline.de

Text and Photos: Andrew Sinn from Deco-Vision
Translation: Sachiko Kurashina

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