アーバン・ディシプリン展 2002

HAPPENINGText: Andrew Sinn

ゲッティング・アップは、長年に渡りグラフィックデザインを手掛ける、ダイム、ダディ・クール、タセク、ストヘッドという4人のアーティストによって設立された。キャンバスにスプレーを吹き掛けること以外にも、展覧会の開催、ウォールペインティングやウェブサイトの制作も行っているグループだ。

アーバン・ディシプリンは、毎年好例で開催しているグラフィティアートの展覧会の名称で、今年で3回目を数える。ハンブルグ港近くにあるアミューズメント地区、セント・ポールにある「アストラ」というビール醸造所のビルでこの展覧会は行われた。

世界中から34人のアーティストが参加したこの展覧会。スプレー作品からインスタレーション、彫刻、未来的な風景に書かれた言葉から、キャラクターや抽象的なものまで、幅広いグラフィティアートを発表された。

トーストのグラフィック作品。彼の奇抜な3次元オブジェは、文字がベースになっている。オブジェの中に隠れている彼の名前の文字を探してみよう!


ダイムのペインティング。キャンバスにスプレーで描かれており、3Dの文字は非常に柔らかく見える。彼は色の使用に関してバランス感覚がとてもよく、絵の上にある色のしぶきが絵にダイナミックな動きをつけている。彼はまた、作品の細部に渡る写真も撮影しており、絵画のベースとなる構造の側面について異なる見方を提供している。

更に違ったテイストのスプレー作品をもうひとつ。「COOL IN THE MIRRO」という題名がついているのは、左の作品。「COOL」という言葉が、鏡に映されたように逆になったバージョンで、右下の作品にある緑のオブジェが「C」を映しているとダディ・クールが教えてくれた。

彼がタイポグラフィをペインティングするのが好きなのは、それがグラフィックにおいて必要不可欠な事だと考えているところにある。『読んでもらうためにあるのであって、それと同時に、それらは無関係な者にとっては何の意味もないものなのです』と彼は言う。書いたものを説明したり、その綴りを言ったりするのを本来、彼は好まない。彼の興味のほとんどは、色の構成、革新性、インスピレーション、アーティスト個人のスタイルとテクニックのユニークさに注がれている。彼のスタイルがある限り、彼独特の世界をどこまでも追求できるのだ。『今は、自分について話すのが好きです。でもその反面、私はもの静かで静観的なところもあるし、果断な部分もあるし一本気なところもあるのです。それらが私の作品では表れています。』

『強い認識がある上でのオリジナルのスタイルを作る事は、ほとんどのグラフィックアーティストにとっての目的でもあるのです』と、ダディ・クールは言う。『スプレーアーティストがよく悩まされる事がある。それはペンネームだ。アーティストは作品を完璧にし、要素を付け足したり取り除いたりするものだ。もしその人だけそのペンネームを読む事ができれば、その文字はそれで完璧なものなのだ』

ダディ・クールは、この展覧会の発起人の一人でもあり、世界の至るところでの展覧会開催に強い興味を示している。もしなんらかの形で展覧会に関わっている方は、是非彼に連絡を!

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