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タイポセラピー+デザイン

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

カナダのグラフィックシーンを国際的なものにしようと、精力的に活動しているデザインスタジオがある。トロントを拠点に活動するタイポセラピー+デザインだ。デザインというジャンルから選ばれたデザイナ-作品を展示し、同時にカナダのデザインスタジオが国際的な舞台へ導く為の掛け橋となるのが「TEKKO」であり、第2回目の開催も目前に迫った。そのTEKKOの主催者であるスティーブン・クロウハーストに、第1回目の反響等も交えながら、TEKKOに込められた思い等を伺った。

自己紹介をお願いします。また。ご自身が活動を行っているタイポセラピー+デザインは、どのようなデザイングループですか?

カナダのトロントにあるスタジオ、タイポセラピー+デザインのスティーブン・クロウハーストです。ノイル・ナントン、ケイト・カシディと活動しています。


Above all: Studio of typotherapy+design.

スタジオとしては主にプリントデザインに力を入れ、メディアとしてのアートをとても重視しており、私達が持つ様々な現代音楽とアートのバックグランドを作品に反映させています。またこれは、トロントにある他の大規模なスタジオと私達の大きな相違点でもあると思っています。その他にはアイデンティティ、パッケージデザイン、ブロードキャストデザイン、タイポグラフィ、サウンドデザイン等を行っています。

クライアントも、ジェイ・マニュエル(アメリカ)、アリアンス・アトランティス(カナダ)、シルヴァーナ・マタロ(カナダ)、ネクシスマガジン(カナダ)、NRKレコード(アメリカ)と様々ですが、最近はフォトニカ(アメリカ)とのプロジェクトを進めています。私達自身が最もコンセプチュアルに、そしてクリエイティブに活動できるような建築事務所、インテリアデザインスタジオ、映画会社、レコードレーベル、クローズレーベル、出版者、アートギャラリーと仕事をする機会が多いです。こうすると、何だか生意気に聞こえてしまうかもしれませんが、自分の事を語るのは得意では無いのでご了承下さい。


Above: Studio of typotherapy+design.

今年で2回目の開催となるTEKKO。シフトでも、第1回目の開催時から、インフォメーション等を紹介させていただきました。TEKKOを開催しようと思ったきっかけは何ですか?

トロントでNISENの展覧会を開きたい、というのが事の始まりでした。その当時、彼等の作品は私の大のお気に入りで、また彼等の作品以外に上質なものがトロントにはありませんでした。その上質な作品とは、マーケットの価値を飛び越えた実践としての現代グラフィックデザインを奨励するものであり、NISENがまさにそれを行っていたグループでした。残念なことに、当時トロントで何かをやることについて彼等には興味を示してもらえず、彼等のためではなく、私自身の為に何かを始めた方が、コミュニティー全体としても良いのではないか、という意見をもらいました。そのような経緯でTEKKOが生まれ、もし彼等からそのような励ましの言葉をもらわなければ、TEKKO自体も今、存在していないことになります。今でもNISENのメンバーとジョイント展覧会を開催したい、という気持ちはあります。彼等と何か一緒にできれば、きっととても面白いショーになるだろうと思っています。


Left: A work of Mud Pub. Right: A work of Rinzen.

TEKKOとはどういう意味なのでしょうか?

TEKKOという名前は当初、強く聞こえる文字の組み合わせとなるように、適当な文字を混ぜ合わせたものでした。でもすぐに、TEKKOがある種の小さい武器と同じ名前であることと、日本企業の名前であることを知りました(もちろんこれはただの偶然なので、その企業の為に私が何かをするということも、子供がその武器を使って遊ぶことを促しているわけでは決してありません)。

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