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アネット・メサジェ展「聖と俗の使者たち」

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

「フランスを代表する女性アーティスト」。アネット・メサジェを語る時、枕詞のように付けられる説明だ。そんな肩書きに少し構えてしまっていたが、実際に作品を見ると、今年65歳だとはまったく思えないほど若々しい感性に驚く。

アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
《残りもの(家族II)》/2000年/布、布製玩具(外側)、縄/300×540cm/ヴァル・ド・マルヌ現代美術館蔵

ぬいぐるみ、動物の剥製、鏡、毛糸…。素材はほとんど身近なものだ。『ぬいぐるみは、性別がなく、形が柔軟だから好んで使っている』と作家が言うように、 メサジェの作品は、特定の人物、文化、人種、国籍、性別に寄るというよりは、私的な興味や体験から社会の普遍性を描き出している。

アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
《彼らと私たち、私たちと彼ら》/2000年/鏡、剥製動物、布製玩具/サイズ可変

日常にある身近な素材を使い、ユーモアと恐怖、清らかさと邪悪さ、現実と空想、人間と動物、生と死といった相反するものや多様な視点を自由に行き来するその様は、軽やかで、少女のようにピュアでありながらどこか危うい感性を持ち合わせているように感じられる。

アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
槍/1991-1993年/槍、色鉛筆とパステルの素描、ガラスカバー、オブジェ、布、ナイロンストッキング、紐、ぬいぐるみ、色鉛筆/サイズ可変/Collection Musée national d’Art Moderne, Centre Pompidou, Paris

機械仕掛けの大掛かりなインスタレーションから、小さな手仕事のオブジェまで、作品のスケールに違いはあれど、どの作品にも共通して彼女独特の”遊び”が 隠されている。それは言葉遊びだったり、役割を演じるゲームだったり、空想の物語だったりしていて、見ていて飽きない。また、その独自のユーモラスさがメサジェの作品が様々な人に受け入れられている要因だとも言えよう。

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