「ゲーム・オン」展

HAPPENINGText: Alistair Beattie

私はよくテレビゲームをする。初めてやったのは10歳の時だっただろうか。ディフェンダーやアステロイドといったゲームに10ペニーコインを何時間となく注ぎ込んだものだ。80年代初頭のピコピコと動くレトロアーケードゲームである。それからZX81やスペクトラム等、自分だけのコンピューターを持つようになった。そしてアタリ、メガドライブ、PS1ドリームキャスト任天堂64PS2、X-BOXの登場である。

しかし、水膨れができるほどまで夢中になった電子手持ちゲームの「ドンキーコング」や「スーパーマリオ・ブラザーズ」を忘れることは私にはできない。私はコンピューターおたくの子供だったのか、あるいはクールだったのか?その時代だけがその答を知っている気がする。私が唯一考えずにいられないのは、あらゆる面から見てもこれらのゲームは今でもそうであるように私の生活の一部であったし、それ故にロンドンのバービカン・ギャラリーで現在開催されている「ゲ−ム・オン」展に行かずにはいられないのも、みなさんには想像がつくところだと思う。


PDP-1 computer © Computer History Museum / Barbican Art Galleries, Early arcade games.

私が今まで見た限りでは、今回のこの展覧会は、トレードショー以外ではコレクションの数は最大である。この大規模で非常に広範囲にわたる展覧会は、コンピューターゲーム産業の開発と、メインストリームとなる消費文化への入り口に、主な興味のポイントをおいている。歴史的な見解で構成され、PDP-1コンピューターの強剛「スペースウォー!」から、X-BOXやPS2の未発売機体まで、あなたを導くジャンルでテーマ化されている。この展覧会の素晴らしいところは、あらゆる年齢層にアピールできるような土台をカバーしており、ダンスをするピクセルの楽しさや、奇妙なビープ音の喜びから誰もが排除されない点である。ハードコアなゲーマーにとって、じっくり堪能したいクラシックゲームが満載の展覧会なのである。


left: Pacman arcade game © Steve Belkowitz. Image courtesy of John Sellers, from “Arcade Fever: The Fans Guide to the Golden Age of Videogames”. (Running Press 2001) Early arcade games. right: Donkey Kong arcade game © Steve Belkowitz. Image courtesy of John Sellers, from “Arcade Fever: The Fans Guide to the Golden Age of Videogames”. (Running Press 2001) Early arcade Games.

キャビネットに入っているディフェンダーやセンチピードも久しく目にしていなかった。マシーンに近付き、手をボタンに、ロールボールに、ジョイスティックに置くだけで、もう至福である。そして私は、10歳の時の自分と比べて随分自分自身の背が伸びたことに気付いたのである!それよりももっと好奇心が強い人たちの為には、十分な情報と、現代における電子ゲームの役割と重要性について問いかける、気持ちを刺激するようなアート作品も用意されている。特設ウェブサイトも公開されており、そこでは、子供達がゲームとは何か、そして何故それで遊ぶのか?について深く考えることができる教育材料としてこの展覧会を扱っている。

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