NUMER.02

HAPPENINGText: Jerome Lacote

2002年4月19日から21日まで、インタラクションデザインについての国際的なカンファレンス「NUMER02」が ポンピドゥー・センターで開催された。第1回目は「インタラクティビティの理解」というタイトルのもと開催されたこのイベント。今回は「インタラクションデザイン-未来を見据えて」というタイトルがついている。それは言葉、発明、そしてコミュニケーションにおける、理論と実践の交差点であり、経験、質問、洞察の共有の場であった。ここでは多くの興味深いデザイナー、アーティスト、リサーチャー、教師、ジャーナリスト等、様々な分野の人たちとこのイベントで会うことができた。

カンファレンスはトピックごとに分かれて開催された。最初のトピックは「プロセスと妥当性」。この会場では、インタラクティブデザイナーの労働環境について何人かの演説が行われた。

質問:インタラクティブオブジェクトの制作における良い点、悪い点はどのようなものか?どのように作品が配付されているのか?チームで活動する際にインタラクティビティに関して責任は誰が取るべきか?コレクティブデザインはユートピア的なものか?どのようなフィードバックが返ってくるか?そのフィードバックは根拠のあるものか?関連性のあるものか?どのような感想を私たちは期待しているのか?美しいか?印象的か?斬新か?営利的な成功について話し合うことができるのはいつか?将来はどういったものか?私達は今、しっかりとした基盤を作りきれているのか?このデジタル最前線において私達は活躍する新しい世代なのだろうか?あるいはそれを探し求める代わりに安定性から逃げているのか?

これらの質問に関して最初に演説を行ったのは、スチュワート・バターフィールドだった。彼はウェブがベースとなっているアプリケーションを専門として扱うインタラクション/ユーザーインターフェイス・コンサルタントである。彼は、ナビゲーションのメタファーの欠陥、それがどこから来たのか、そしてそれがどのように普及したのか、そしてそれが設計チームの理論的進歩と実際の作業の取り決めの両方にもたらす誤った文脈について説明した。彼はまた、いくつかの代替概念を提示し、ナビゲーションのメタファーを取り巻く問題を回避する考え方を提案した。


Maurizio Poletto.

次に演説を行ったモーリッツォ・ポレットは、「デザインの盗用」について語った。ポレットはイタリア人デザイナーで1996年からウィーンで活動をしている。現在は、ノーフロンティアのクリエイティブ部門を受け持つアートディレクターとして活躍している。ポレットはシステムデザインを、オープンスペースでもありプレイグランドでもあると説明する。今までデジタルデザインについて収集してきた全ての知識をふまえた実験と、私達が持つプロとしての経験の変化した面を越えたオープンスペース、あるいはプレイグランドなのである。デザイナーは実際の所、自分達が何を行っているのかしっかりと把握していなく、そして彼等はおそらく、私達の次の開発の段階に方向転換をする準備が整った時に、彼等が何をしてきたかを完璧に理解するのではないか、というのがポレットの見解である。


Francois Naude and Joelle Bitton.

次に演説を行ったのはクリエーションプロセスについて語ったジョエレ・ビットン。彼女は、SUPERFICIELと呼ばれる実験的なアートプラットフォームの設立に関わった人物である。インタラクティブクリエーションのプロセスにおいて発生する仕事を定義するという難しい状況を描写した。永久的にアップデートされるソフトウェアとクリエーション、そしてクリエーションプロセスと最終的なプロダクトの関係について語った。

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鈴木将弘
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