キューバ・アーキテクチャー

HAPPENING


カンファレンスと20にも及ぶエキシビジョンを開催した第1回「ARCHITECTURE BIENNIAL IN HAVANA, CUBA」がその幕を閉じた。


Proposal by Weimar University for a Centro de Investigacion.

中傷を受けることもなく(「革命」だけではなく禁制にも感謝)、この歴史的情緒が漂う街で建築、遺産、プログラムについて話し合いが行われた。都会の復興と旅行産業、プレハブケーションそしてディズニラーンド・シンドローム。これら全てのテーマは、キューバの建築的パノラマが向かい合っているどうにかしなければいけない、暗雲が立ちこめている状況なのである。

事業が発足する際によくありがちな事のように、この一風変わった委員会に足りなかったものは、最低限必要な経験であった。まず第一段階として、それが期待に応えるには不十分であったのだが、これに関しては気付くことが出来た。続いて(あの9月11日の事件の影響で)ヨーロッパからの重要なスポンサーからイニシアチブを延期し、イベントを12月まで延期する為にその他のパートを辞退したい、という馬鹿げた知らせが舞い込んできたのだ。この要望は実行するには3、4ヶ月以上必要とされ、全てのカルチャーという裏の意味の範囲プログラムと共に進められたのだ。それにもかかわらずその一方では、特にその意図がこれをレギュラー的なイベントとして確立するには、キューバの様な国でのこの種のイベントの重要性は否定し難いものなのだ。

この古の街に建つ歴史的建造物や重要な場所で開かれた会議やエキシビジョンは、歴史と文化と街の遺産、街計画調停、都市の建築物の概算、伝統の調停、という4つのグループに分けられた。会議やエキシビジョンの参加者の中には「ビッグネーム」と呼ばれるような有名人等まったくおらず、インフォーマルなレベルで出回っていた長いリストはおそらく、参加を申し込むには十分でない時間によって排除されてしまった。しかしそのような中でも例外だったのが、ポツダムのフィルハーモニカ用の若干困惑感を感じるエアーイラストレイトプロジェクトで知られているフランス人の建築家、ルディ・リッチオッティだ。このプロジェクトは、ローカルなレベルの例としての歴史的なコンテキストへの効果的な挿入である。そして「NEW URBANISM」の生みの親でもあるキューバ系アメリカ人のアンドレス・ドュアニーは、より論議的なトーンがある「CONFERENCIA MAGISTRAL」でハバナ市における街計画の客観的な分析を記した議事録を発表した。ビッグネームの存在がこのイベントにはなかったが、海外からの参加者によって、現代的な調停の為の完璧なテスト地域としてユニークなキャラクターを持つハバナ市としてのデザインの観念に関する、キューバの建築にとっての非常に役に立つ意見の交換が出来たのだ。そのかわり、もしかしたら今回の開催は競争的でなかったかもしれない。と言うもの主催者側は、正当な慣習の可能性についてたとえ純粋に倫理的なレベルにおいても、考慮していなかったからだ。きのこの様に何処にでも生えてしまうような恐怖を感じさせるいまわしいデザインの過多も、最近政府から外国の投資者に提案された新しい可能性のお陰で、率直に旅行やショッピングモールなどすべてを含んだ上での容赦のない前進になったのだ。


Office building in Sao Paulo designed by Brazilian practice MMBB Arquitetos.

今回のイベントの中でこの街の為だけの唯一「外部」からのものといえば、ハーバード大、ウェイマー大の教授と生徒達からのオファーである。これはハバナの建築学部のコラボレーションによるもので、ザ・コンベント・オブ・サンタ・クララに展示された。海外からの参加者の不足の中でこれは、イベント自体を地元のデザインフェアのようなものに感じさせた。キューバの現状を広い範囲で公にする特典はさておき、エキシビジョンは実際の所、計画の為にオフィシーナ・デル・ヒストリアドール(歴史的要素を残す街の中心地の再建を司る政府機関)によって殆どの部分を関与されていたし、あるいは小規模ながらもほかの建築事業がエリア内で行われているのだ。その点において例外等ほとんどない、と言ってもいい。最新のブラジルのMMPPアーキテトスによる事業は、注目する価値があるものである。ここから受ける印象は、どちらかと言うと現段階で存在する意見からのその秩序と目的においてオーソドックスで古風で、フレキシブルとは言い難い歴史的な趣がある中心街を調停する為のアプローチを撃ち破るオートセレブレーションのための願いのひとつである、ということだ。それはプロジェクトの質のゴールのようなもので、結局歴史的な構造における挿入のようなケースなのである。このような場合、「モニュメントシンドローム」や歴史物保存のナルシズムはもはや、マミフィケーションの種類や植民地時代の建築物のフェティシズムは同類のものになってくる。キューバにある多くの輝かしい歴史的街の復活や再建は、ラスベガス通りの価値のある結果と共にしばし不条理なわざとらしいファッションとしてとらえられてしまうのだ(しかしベンチューリの文化的なウェイトの欠如ともいえる)。ハバナにあるホテル・テレグラフォがこの件に関するよい例で、これは2ヶ月程前に解決した。外面が全体的に信頼性がなく、その年月と怠慢のウェイトによって倒れてしまった同じ名前のホテルの外見のもうひとつのフロアーの追加部分をフィーチャーするような厚紙のコピーだったのである。あるいは、過激論者が(すでにデザインの段階で登場しているのだが)不公平に(50にも及ぶビルが譲渡された)教育省をくつがえすために訴え、以前そのサイトを使っていたサント・ドミンゴの問題の修道院のレプリカを使ってそれの代わりにしているのだ。


Project for the Grandi Magazzini Riviera a L’Avana, by Cuban architect JoseA. Choy.

幸運にも「過去、現在、そして未来の街」という中心的なテーマをディベートでは扱われたことは、喜ばしく刺激的なことだ。たとえこれが「アンダーグランド」のレベルだとしても、美学的、テクノロジー的、経済的、社会的、そして政治的に光があたっているからだ。何よりも「才能を秘めた」多くの若者達がカルチャーとしてはくくることのできない、少なくともまともなデザインとして主張出来るマーケット、旅行業、そして海外投資の需要に応えるのに後ずさりしているのだ。そのうちの一人、建築家のホセ・A・チョイは、様々な面で積極的で、ハバナの有名な海岸通であるthe Malec蕨の再建に協力している若い建築家軍団のグループのひとりだ。チョイはまた、ジュリア・レオン、テレサ・ルイ、オスカー・ガルシアと共に模造物に頼らずに、しかし高い個人的なスタンプを授与する重要な現存する建物(ハバナにある50の建築物の完璧な代表ともいえる)の調停の権威のある例を構成するTHE BANCO FINANCIERO INTERNACIONALを発展させるプロジェクトをサポートしている。THE GRUPO DE PROYECTO DEL MALECONは、デザインのステージに未だに存在する様々な居住用ビルの代わりに、部分的に多くのCOMUNIDAD AUTONOMAS ESPANOLASという朽ちかけた建物の取り壊しをおこなっている組織に経済的援助を受けながらもそれ自身を際立たせているのだ。


Casa Noval Cueto, by Cuban architect Romanach, 1943 (from the photographic exhibition, “Cuba, Arquitectura Siglo XX”).

どこも非難など関係なく、どこかで消化されてきた輸入モデルを受け入れているのは明白である。この特別なコンテキストにおいて最も緊急かつ押し迫った問題は、国民的なアイデンティティに関連した偽りがないということだ。これは、「キューバの建築」としてどう定義されるべきかについての誤った解釈を与え、このようなテーマはよくオフィシャル的に特定の個人的な社会政治的な体制によって扱われ、「概念学的に正しい」とみなさせる物事においてリスクが高い宣言になってしまうのだ。したがって極端な概要を減らす為に、「SABER」や「SABOR」は結局取り返しがつかない程困惑を招いているのだ。過去において、インターナショナルスタイルやキューバの建築が流行の現代的な「ルール」を掴み始めた頃は、それらは調査と植民地時代の建築物の構造学的な原理の復活において、国単位で救済の努力をしていた。しかし結果はかなり難しいものになってしまった。このような試みの効果は「Cuba, Arquitectura del Siglo XX」というタイトルがついた写真展で見ることができる。このエキシビジョンはこの問題の専門家であるエドュラルド・ルイ・ロドリゲスによって企画されており、BIENNIALと共にTHE CENTRO WIFREDO LAMのアッパホールでショーも開かれている。

Text: Elisa Ale from Domusweb
Translation: Sachiko Kurashina

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