第26回香港国際映画祭

HAPPENING

映画鑑賞はおそらく、香港の人たちに親しまれている娯楽の一つだろう。地元のものから、ハリウッド映画、本国である中国や台湾映画、日本、韓国、そして外国のアート・ハウスが制作したものなど、実に様々な映画を見ることができる私達はラッキーである。実際の所、私達にとって映画は純粋なエンターテイメント以上のものを指している。経済的に言ってしまえば、映画制作はSARにとって大規模な産業の一つであり、文化的に言ってしまえば、香港映画は私達の集合的なプライドを代表して表してくれていることになる。私達の歴史を紹介し、私達の社会で生活する様々な人々の考え方を反映している。また、制作者の考えを代弁してくれている合理的なメディアとも言える。もうこれだけで、何故こんなにも香港の人たちが映画に情熱を傾けるのかを理解していただけるだろう。


今、街で一番ホットな話題と言えば、第26回香港国際フィルムフェスティバル(HKIFF)ではないだろうか。1977年に始まって以来、HKIFFは常に香港の人たちが楽しみに待つイベントである。毎年イースター(復活祭)の前後に開催されるこのフェスティバル。熱狂的な映画ファンは、ここぞとばかりに映画マラソン突入する。今年も、もちろん例外ではない。12日間に及ぶこの豪華な映画祭では、世界各国から集められた200点以上の作品が、審査の為に300回以上、上映されるのだ。これらの作品は、「グローバル・ビジョン」、「マスター・クラス」、「リアリティ・バイツ」、「アニメーション」、「ジャン・スヴァンクメイヤー賞」、「ディレクター・イン・フォーカス」、アジアの新世代の映画とフィルムを対象にした「アン・フイ・エイジ・オブ・インディペンデント」(AOI)等といった、各プログラムに分別される。

「エイジ・オブ・インディペンデント(AOI)」は、比較的新しいプログラムだが、HKIFFにとってはすでに重要な位置を占めているプログラムである。香港アート・センターに4年前に紹介されたこのプログラムは、アジアの中のインディーズの映画制作者のネットワークを築き、一人でも多くのオーディエンスに彼等の作品を知ってもらう為に、アジアのプロダクションに売り込むのが目的だ。AOIがここまで発展できたのも、偏にオーディエンスと他の映画制作者からの高い評価のお陰なのだ。2000年には出版組織もその活動をスタートさせた。アジア各国からの、インディペンデントなフィルムの開発を毎年リポートしている。アジアで頑張るインディペンデントな映画制作者に、これからの課題として、広範囲に及ぶ手引きを残すのが目的だ。香港、韓国を経て、今年注目されたのが日本だ。

今年のAOIの一番の目玉が、ピンク映画を含む日本のインディーズによる映画である。浜野佐知の「百合祭」、瀬々敬久の「東京Xエロチカ」、オビタニユリの短編映画「A KID ON THE ALLY OF YYOJIMA 3-2」等に注目が集まった。「プラネット大阪」にもそのスポットライトが当たった。プラネット大阪とは、大阪芸術大学の映像学科専攻の学生達が足を運ぶ小さな映画館の名前である。当時24歳だった熊切和嘉と同級生が、低予算ながらも卒業課題として「鬼畜大宴会」という作品を1997年に制作したのがそもそもの始まりである。ウルトラ級に暴力的でありながらも、同時にウルトラ級にヒップなその作品は、日本の映画界に衝撃を与えた。熊切が作り出すクラシックな鬼畜大宴会は現在、山下敦弘の「どんてん生活」、宇治田隆史の「リュウコ」、「悲しくなるほど不実な夜空に」、元木隆史の「プウテンノツキ」等に見い出すことができる。現代日本の最も過激な部分を描写しているこれらの作品。香港の人たちにとっては、期待を裏切らない内容のものばかりである。また、香港の人たちの最新の日本のインディペンデント映画シーンの理解を更に深めてもらう為に、「プラネット大阪」現象を反映したセミナーも設けられている。

AOIでフィーチャーされている作品はこれだけではない。香港、中国、台湾そして韓国からの作品ももちろん勢ぞろいしている。アロング・ザ・ロング・ウェイ、ザ・ボックス、ザ・オーファン・オブ・アニャン、上海パニック、ウィークエンド・プロット・アンド・チェン・モー・アンド・メイティング等の、本国からの作品数の増加が目新しかった。中国の伝統的な風景を描写している作品もあれば、若者の現代的で、時に快楽主義的なライフスタイルを映し出している作品もある。このような 2つの異なる方向性を発表したのが中国なのだ。

テクノロジーの発展とデジタルビデオレコーダーの人気によって、今年のショーケースにはデジタルビデオの作品が目立った。デジタルビデオが作品の主流となってしまうのだろうか?そしてこれは、作品制作、配給、アート・ディレクションにどのような影響を与えるのだろうか?この疑問は「ゴー・デジタル:映画の未来」と題されたセミナーで議論される予定だ。

あなたも映画大好き人間ですか?映画を通じて違った文化を知りたいと思っていますか?もしそうなら、是非ともこのフェスティバルへ!

第26回香港国際映画祭
会期:2002年3月27日から2002年4月7日まで
会場:サウンドウィル・プラザの3001〜3002号室
住所:38 Russell Street, Causeway Bay Hong Kong, China
TEL:(852) 2970 3300
hkiff@hkadc.org.hk
http://www.hkiff.org.hk

Text: Mlee and Wing Yu Yeung
Translation: Sachiko Kurashina

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