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ケリー・ニッパー

PEOPLE


これは物事の客観的な見方に到達する為の、数々の表現豊かな言語を含む高尚で知的な旅の話になるだろう。1971年にアメリカで生まれたケリー・ニッパーは、動作の中にある体のインスタレーションで、ムーブメントと時間をテストする為のパフォーマンスをベースとした写真を撮っている。(ジーノ・デ・ドミニシスは、「写真は何も作らない。それは存在を無くそうとしているか、解釈しているかである。」と言った)ニッパーは写真を作品の概念的な行程を明らかにし、説明する為にプロローグの様に利用している。


Timing exercises 2001 – 2002, two framed chromogenic prints, cm 92,2×120,6each, Ed.4

まるでディレクターのように、彼女はパフォーマンスを作り出し、空間に体を、それが持つ動きとタイミングによって生み出していく。それは後に、ドキュメンタリービデオや写真となって表現されるのだ。カルチャー的なフレームワークは、60年代、70年代の表現豊かな新境地からのものだ。体が探究の為の最も人気が高い道具として好まれ、アーティスト達に利用され、そしてダンスや振り付けで強調された時代である。リファレンスは明らかにその前の世代を指しており、マース・カニングハムやカリフォルニアのミュージシャン、ジョン・ケイジ(ダンサーとして、また振り付け師として活躍)、イボンヌ・レイナー、トリシア・ブラウンといった名前を指している。「THE HAPPENING」、「THE ENVIRONMENT」、「FROM FLUXUS TO LIVING THEATRE UP TO NEW DANCE」といった言葉の垂れ幕の下で膨大な数の実験と探究がアメリカで行われた年代であった。

現在ロスアンゼルスに住み、活動しているケリー・ニッパー。LAにいるアーティストの重要な新しい世代の一人である。LAは常に生活からアートが生まれている都市である。彼女のパフォーマンスは、チャンスや漠然としたものの様な要素を取り入れており、ユートピアと政治的アングル無しでのこれは、アートをできるだけ生活と考慮される題材的事実に近付ける為の基本的な術である。


60 minutes of hour glass sand, framed chromogenic print, 124,4×165,1 cm, Ed. 4

イタリアにあるガリエラ・フランセスカ・カウフマンで行われている、女性としては初めての彼女のショーは(以前、2000年にザ・フォンダジオーネ・サンドレット・レ・レバウデンゴでショーを開いた経験はあるのだが)、写真の時間を試みを発表をしている。60分の砂時計の砂は、砂時計に入っている砂からなっており、通風機によって吹き飛ばされていく。長さが永遠と続くように、または停止するかのように時間はそれ以上存在せず、砂は空中に舞い散らばっていくのを待っているかのようだ。作品はタイミング作用と共に進んでいく。目を閉じてもらうように頼まれた6人の人たちは、自らが10分経過した、と思った時に目を開ける。「時間を想像し挑戦すること。」時間は砂時計の中の砂と、トータル的に一致しなければならない。過ぎ去った時間を計ろうとすることは、きまった枠を解放しその時間を計る、という抽象的な単位として認識することなのだ。

見た目は全面的で、イベント自体はトータルカラーの白で落ち着いている。写真は、冷たく、厳密で美学的な印象がある。作品の構造は厳格な趣。まるでムーブメントがややこしいイメージの効果で抑制され、リピートされているかのようである。または、ムードの次元に移行されているかのようにも思える。体と物体は考えのフォーカスになる。もしかしたらその考えが、空気の中に彷徨う砂を掴んでいるのかもしれない。


Opium poppy, 2001 – 2002, framed chromogenic prints, 84,4 x110,4 cm, Ed.4

ケシの花の作品も、時間をテーマにした作品だ。鮮やかな赤色をバックに、ニッパーは花の成長過程を撮影している。ある確実な感覚によって、作品は明瞭性が欠けたものになり、勢いを無くし、現実性の認識の欠如、考えと言語、真の時間に最も近い状態になる。つまり、プラクティカルな枠のように、西洋の認識に対する考え方を失うことは、イベントを自由に行うなかでの瞬間的な成功のようなものなのである。

時間をこのような形で、このような空間で写真におさめることは、体、物体そして場所、不在と存在、停止と動きの間にある関係が、アーティストにとって完全な経験なのである。フィジカルに、美学的に、感動的に、そして心理的に、多くの面を探究する為の情報が詰まったフィールドなのだ。

Kelly Nipper: Photographing TIME
会期: 2002年4月14日まで
会場: The Galleria Francesca Kaufmann
住所: Via dell’Orso 16, Milano, Italy
TEL: +39-02-7209-4331

Text: Ilaria Ventriglia from Domusweb
Translation: Sachiko Kurashina

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