エレクトトロニックシャドウ

PEOPLEText: Jerome Lacote

ヤシン・アイトゥ・カシナジア・メスタウィは、エレクトトロニックシャドウのニューメディア・デザイナー。ヤシンの様々な施設への作品についての評判を耳にすることは多い。そして今回、ナジアと手掛ける興味深く、革新的な活動についてお話を伺う事ができた。

自己紹介をお願いします。また、エレクトロニックシャドウについても教えて下さい。

ヤシン・アイトゥ・カシです。ニュー・メディア・デザイナーになって6年目になります。グラフィックデザインの学位を取得してから、アート・ディレクターとしてイヴ・サン・ローラン等のマルチメディア部門でしばらく経験を積んでいました。最近では、ルーヴル美術館のCD-ROM(小学館より発売)を、コンセプター、デザイナー、ディレクターとして手掛けています。2年前にナジア・メスタウィと出会ったのがエレクトロニックシャドウを設立したきっかけです。彼はベルギー人の建築家なのですが、当時、建築におけるニューメディア問題について活動していました。エレクトロニックシャドウは、完璧にインディペンデントなエージェンシーです。ハイブリッド・デザインという新境地を開拓する為に、私達が今までに身に付けてきたノウハウを全面に取り込んでいます。建築からニューテクノロジー、デザイン、グラフィックデザイン、そしてビデオにいたるまで、様々なクリエーションのエリアが私達の作り出す作品のベースになっているのが特徴です。それらが一つになって、実世界とデジタルの関係を構成しているのです。私達のメインテーマは、ハイブリッド・エリアをデザインすることで、この特別なエリアは実世界とデジタルの間にあるもので、私達のグループ名、エレクトロニックシャドウを示唆しています。

ハイブリッドデザインとはどういう意味ですか?

この言葉は、私達の活動そのものを指しています。ニューメディアは、伝統的な活動をある意味変革してしまったと言えます。それら伝統的な活動の多くは現在、似た様なツールと共にコンピューター化されており、それによって新しくてリアルな、複合的な規律が元になったアプローチが可能になりました。ハイブリッドデザインはまた、現実世界と、新しいハイブリッドな次元を作る為の、デジタル拡張の間にあるデザインというのが、主要な考えでもあります。

その他ではどのようなプロジェクトを行っていますか?

私達は活動自体を、リサーチとアーティスティックな作業とに分けています。そうすることによって、現実てきな文脈を調和させることができるのです。これは、革新的な作品を制作する為でもありますし、それらの作品をビジネスパートナーやクライアントに提案する為でもあります。2000年に私達は、ファッションデザイナーのクリストフと共同でフランステレコムR&D用に「コミュニケーション・スカーフ」を制作しました。こちらは、昨年、ニューヨーク近代美術館で開催された「ワークスフィアーズ」展にて展示されました。コミュニケーション・スカーフは、見る、聞く、話す、触るといった私達のコミュニケーションをする為の感覚の延長として考えられたファッションアイテムです。各々の機能が、単純な動作にしっかりと適応しています。この機能的なプロトタイプは私たちの感覚を拡張し、衣服をコミュニケーションの第2の皮膚となるものです。

このプロジェクトの後、私達はシチリア島のパレルモに出向きました。これは新しいフランス大使館を全体的にデザインし設立する為です。このプロジェクトは、リアルとバーチャルの間でハイブリッドな建築物を作ることによって、私達自身のテーマを具体化することのできた大変重要なものでした。

インタラクティブ・インスタレーション(V-Med 2.0) の制作で、私達のアイディアを表に出すこともできました。私たちはパレルモとヘルシンキのプロジェクトを同期させ、2つの物理的な空間の間にデジタルメモリの海を構築し、インターネットの25番目のタイムゾーンと呼ばれる時間帯でインターネット上に拡張しました。

ウェブでは、最近「Palimpseste 3D Navigator 1.0」をデザインしました。これはウェブサイトを含む様々な種類の情報コンテンツから、3Dのナビゲートできるスペースを作る為のインタラクティブツールです。このツールでは、テーマやカテゴリーによってリンクを表示することができます。このシステムもまた、完全に自動生成される、いわゆる「情報アーキテクチャ」の一例です。

エレクトロニックシャドウ設立以前のプロジェクトは、私達のサイトで見ることができます。

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