ラウル・シニエ(RA)
PEOPLEText: Jerome Lacote
僕が「RA」の作品を見つけたのは、ウェブ上でのこと。それ以来、彼からのニュースレターは毎回受信している。彼のスタイルは、フランシス・ベーコンとポール・レベイロールのちょうど中間的なものではないかと僕は思う。彼のイラストは僕のお気に入りなこともあり、今回インタビューを試みることにした。
自己紹介をお願いします。
ラウル・シニエです。 「RA」と呼ばれていますが、エジプトの神話とは何の関係もありません。普段はデザイナーとして仕事をしていますが、その他の時間はイラストレーターやミュージシャンとしての活動もあります。フランスのパリに住んでいます。
バックグラウンドを教えて下さい。
2つの美術学校に通いました。どちらからも、何か物凄いことを学んだという気はしませんが、楽しかったです。
どのようなものから影響を受けますか?
特にコレといったものはないので、見たもの全て、でしょうか。全てのものに目を配り、そこから何かを得るということは、すごく大事なことだと思います。何かの作品の作者はもちろん、ライター、製図家、画家、映像作家、それにその場の状況とかストーリーなど、色々ですね。誰の作品でも、これに影響を受けましたというのは、大抵明確に見えるものではないと思います。なので色々なもののミックスに、僕は影響を受けているのではないかと思います。
普段はどのように制作を行っていますか?
100%デジタルです。デジカメでテキスチャーやボロボロの壁、錆びたメタルなどを撮影する以外は、マックとタブレットを使って作業をしています。
最近はどのような活動を行っていますか?
今はライターの人と一緒に、初のコミックの制作を進めています。44ページ目に入ったところで、最終的には150ページぐらいのものになるのではないかと思っています。そのライターと僕にとっても、はじめての経験なので、このプロジェクトにはかなりのめりこんでいて、今のところはすごく楽しんでやっています。僕のサイトにあるイラストのセクションに、少し絵が紹介してあります。
その他のプロジェクトは?
ある本のイラストを今制作してて、もしかしたら、ちょっと編集された写真なんかもこの本には追加されるかもしれません。まだこれについては、話し合いの段階です。これ以外にも、ダメージというバンドのジャケット・デザインをちょうど完成させたところです。このレコードはプラネット・ムーというレーベルから発売される予定で、どんなものにでき上がるのか今からすごく楽しみです。音楽関連では、ミュージシャンとしても活動しているので「メンズ・リベンジ」というエレクトロニック・コンピレーションに参加しました。この作品はツナミ・アディクションより、この6月にリリースされる予定です。
今のクリエイティブ・シーンについては、どう思いますか?
何とも言えませんが、才能に溢れた人が多いのと同時に、嘘っぽいものも溢れているように思えます。でも、大抵いつもこんなかんじですよね。僕がとても興味があるのが、新しいデジタル・ペインティング・シーンなんです。そこにはいつも、すごい才能を持った人たちばかりですしね。それにみんな若いし!!!
好きなアーティストを教えて下さい。
沢山いますが、フランシス・ベーコンは、常に好きなアーティストです。先ほども言った通り、今はかなりデジタル・ペインティングにはまっているので、まだ認知度は低いけど頑張っている若手アーティストも好きです。今は思い出せないけど、本当はもっと沢山好きなアーティストはいます。新進気鋭のグラフィティー・アーティスト達も、かなり興味深い存在だと思います。ギーガーやクリス・カニンガムといった「クラシカル」な人たちにも、常に注目しています。
Text: Jerome Lacote
Translation: Sachiko Kurashina