「サイドB・ポジティブ」展

HAPPENINGText: Mlee, Wing Yu Yeung

みんなから愛され、はまった人は思わず、その匂いさえも香ったりしてしまう。ノスタルジックな感触がたまらない人もいるし、オリジナル性を敬慕する人もいる。ロモ・カメラ。世界中をある意味カルト的に統一させてしまったすごいカメラだ。ロモグラフィック・ソサエティとインスティテュート・マターによる「サイドBポジティブ」という展覧会が1月から香港で開催されている。10カ国以上から集められたロモグラフィックを紹介するものだ。ロモグラフィ・アジア・バシフィック(ロモ・アジア)のダミエン・ブラシェットが、展覧会とアジアの人々を夢中にさせたこのクラッシックなカメラ・ロモについて語ってくれた。

『このサイドBは、元々はマイケル・チョン(香港のクリエイティブデザイナー)から出されたアイディアです。「コーズウェイ・ベイ・サイドB」という展覧会を開催した彼は、ロモを使って「香港サイドBといったものをやってみたい、と思ったのです』と語るブラシェット。『昨年の9月11日以降、経済状況は悪化しそれに伴い失業者の増加が強まりました。チョンはそれを見てもっと普遍的な世間一般なことをしてみたい、と思ったのです。そこで彼が着目したのが人生における「サイドB」。よし、では何か本当にポジティブなことをやろうではないか、ということになったのです。』

今回の展覧会は香港のみの開催ではないという。ブラシェットによると『日本でも開催する予定です。まだ場所などはっきりしたことは未定ですが、アート・ギャラリーなどいいのではないのかと思っています。続いてニューヨーク、ヨーロッパ、台湾、マレーシア、そしてタイで開催します。世界中で開催できるのは素晴しいことです。このサイドB展で紹介される全ての写真で構成された本が発行されたら、今度はドイツ、ブラジル、インド等でも開催して行きます。』

かなり興味深い掛かり合いが、ロモの香港進出には伴っている、と考えているブラシェット。『まず、ロモは共産主義的なカメラでどんな家庭でも低価格でロモを購入できます。ここで面白い点は何かというと、私たちはこのアジアで最も資本主義的な香港という街に共産主義的なカメラをもたらし、なにかポジティブなことをしよう、ということです。ここには、共産主義者が幸福とか明るい未来とかいったものをロモと一緒に作り出すだろう、というコンセプトがあります。』と、続ける。

現在のところ、ロモで撮影されたイメージはどれも明るく元気一杯なものばかりだ。これが人々がロモに夢中になる理由の一つであろう。ただのカメラだけではなく、人々の笑顔、わいわいやっている姿など全てが写し出された写真を作り出してくれるのだ。

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