「サイドB・ポジティブ」展

HAPPENINGText: Mlee, Wing Yu Yeung

彼は香港のロモ愛好家にいくつかアドバイスがある、と言う。『常に色を意識してほしいです。色を通して香港や香港が醸し出すにおいの再発見ができるはずです。路面電車で、地下鉄で、異臭を放つじめじめした市場で素晴しい写真が撮れるはずです。香港の人たちはもう恥ずかしがり屋さんではないはずです。写真撮影を楽しむことに居心地の良さを感じているはずです。』

『そして是非、ラボラトリーに足を運んでみて下さい。露出にかかる時間に関しては、普通の写真をプリントするのに2秒かかりますが、ロモの写真の場合は4秒かけてください。その時間差のお陰でより対照的な結果を得ることができますし、見た目もずっと良くなります。一枚、一枚プリントすることで、いい写真を生み出すこともできます。もしこれがフィルム一本を自動的に機械でプリントしてしまった場合、一枚にかかる露出の時間はたったの1.5秒です。 よって露出不足の写真ばかりができ上がってしまうのです。』ブラシェットは続ける、『黒は黒。赤は赤なのです。グレイを出してみせる、と言われても一銭たりとも払うつもりはありません。』フィルムの現像に関しては、ブラシェットは小さな家族経営のラボラトリーがお勧めだと言う。『ロモ愛好家には、大手のチェーン店でお金を使ってほしくないのです。彼等にはそのような店は必要ありません。そのような店ではいいサービスも期待できません。小さな家族経営のラボラトリーが一番。彼等こそがプロです。ロモのサイトでは私お勧めのラボラトリーを紹介しています。』と、いうことなので、もしあなたの近所にいいラボラトリーがあれば、恥ずかしがらずにブラシェットにメールをしてみてはいかがだろうか。ロモ愛好家にとって、よいプリントしてくれる所を把握しておくのは重要なことなのだから。

ロモ・アジアは昨年、ニューヨークを拠点に活動しているフランス人のグラフィックアーティスト、 WKインタラクトを日本で行われた展覧会に招待した。 WKインタラクトはまた、彼のトレードマークのグラフィックでトラックをペインティングし、そのトラックは一ヶ月に渡って東京中を駆け回った。 WKのことが雑誌でも扱われ、このプロジェクトに対する反応は素晴しいものばかりであった。

香港で行われるこのようなプロジェクトの可能性、というものはどういったものであろうか?『まず、グラフィックデザインに使う壁は、誰も人を見下す、ということがない荒れ果てた地域にありす。もちろん、グラフィックを使ってお店をデコレートすることもできますが、これはロモがやろうとしていることではありません。このプロジェクトは、どこかショッキングで、かつとても特別なものになるべきなのです。』

香港でプロジェクトを始めるのに、適切なアングルを見つけだすのは難しい、とブラシェットは言う。『シンガポールでは、お役所が使うような言葉を使わなければいけません。それによってやりたいことが何だってできるのです。よく“人間性の理解よりもましにプロモートする…そうすれば最終的に彼等はその気になる”という事が言われていましたが、ここ香港では何が適切なアングルなのか、私にはわかりません。』

『路面電車にペイントをしてみたいです。香港では徐々に、私たちに対する理解が深まって来ているので、路面電車会社に話を持ちかける時が来たのかもしれません。』このプロジェクトが多くの人に知ってもらえるように、お願いしておこう。

Side B Positive Exhibition
会期:2002年1月26日(土)〜2月8日(金)
会場:Institute of Matter
住所:2/F, 33 Yiu Wa Street, Causeway Bay, Hong Kong
TEL:+86 852 2832 7894
https://www.instituteofmatter.com

Text: Mlee, Wing Yu Yeung
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Elaine Lee

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