スーパーマンデイン
PEOPLEText: Naoko Fukushi
ロンドン在住のアーティスト、スーパーマンデイン。デジタルでは出し得ない手描き独特の味を持ったイラストレーションと、有機的なフォルムを持つ美しいフォントが特徴的だ。現在ロンドンでの初の個展を開催中の彼にお話を伺った。
まずはじめに、自己紹介をお願いします。
スーパーマンデイン。ロンドン在住です。
現在はどのような活動をしていますか?
グラフィックデザインがメインですが、イラストレーション、彫刻、執筆、音作り、アニメーション、アートディレクションなども手掛けています。
最近の活動内容を紹介してください。
今進行中のプロジェクトは、ロンドンでの初個展です。展示するのは、主にはドローイングなのですが、マッチボックスに入るくらいの怪獣のミニチュア彫刻も制作しました。その他に、ロンドンを拠点に発行しているフリーマガジン「GOOD FOR NOTHING」のアートディレクションをしています。このマガジンは、以前スリーズ・マガジンで働いていた編集者が立ち上げた雑誌で、私自身もその雑誌で仕事をしていたことがあります。あと、ちょうど、HASSLEという新しいレコードレーベルのロゴを完成させたところです。大抵いつも2〜3つのプロジェクトが同時進行しています。
香港のレーベル、チリチリーから、オリジナルデザインのグラスがリリースされましたが、その経緯と作品について教えてください。
チリチリーから直接オファーが来て、とても面白いプロジェクトだったので是非参加したいと思いました。私のグラスのデザインは、「NEVER EMPTY」という言葉をベースにしたものです。グラスの中が、空っぽになることは決してない、と思ったのです。飲み物がなくても、空気は入っている。楽天主義の究極の表現ではないでしょうか。
雑誌アーキティップ、アワーマガジンなどへ寄稿した作品は手描きのイラストレーションが独特ですが、手描きにこだわっている点は何ですか?
私は手描きのデザインアプローチがとても好きです。でも、手描きだからといって、常にそれが下描きのようにおおざっぱなものとは限りません。私はこの8年間常にスケッチブックを持ち歩いていて、アーキティップやアワーマガジンなどに寄稿した作品の多くは、そのスケッチブックからのものです。ドローイングは、思い立ったらすぐに表現できるというところが魅力的ですし、コンピューターでは得ることのできない新鮮さや自然さを作品に持たせることができると思います。あと、うっかり間違えたと思ったところから良い作品になったりするところも魅力です。
フォントデザインには、アールヌーヴォーの雰囲気を感じるものもありますが、意識されていますか?
そう感じられるのも良くわかりますが、特に意識して作ったわけではありません。私のフォントデザインは、スケッチから作っていったものがほとんどなのですが、有機的な文字の形やその装飾的な要素が大好きなので、そこにアールヌーヴォーとつながるものがあるのだと思います。
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