アカデミック・アナウンスメンツ

THINGS

ドイツの「シュツットガルト美術アカデミー」は、独自で発行している雑誌、「アカデミック・アナウンスメンツ」の第7号を発表した。この号でのトピックは“コミュニケーション”。ありがちなトビックだが、今回は、それがどこからくるのか、に焦点を合わせている。コミュニケーションというものを様々なアングルから観察。もちろん、インターネットにおけるコミュニケーションだけではなく、SMSの送信、電話や通信手段に関する記事によって、全てのアプローチが紹介されている。しかも、この雑誌は巨大ポスターとシール付き。
エディターのダニエル・フリッツとマイク・ステイぺルバーグに話を伺った。



Photo by Matthias Ernstberger and Katia Kuthe

まずはじめに自己紹介をお願いします。

AM7として、ダニエル・フリッツとマイク・ステイぺルバーグの二人で作っています。「シュツットガルト美術アカデミー」のハンス・ジョージ・ポスピッチル教授のクラスで、グラフィック・エディトリアル・デザインを勉強しています。

ドイツ国内でも有名校の一つである、お二人の学校「シュツットガルト美術アカデミー」について教えて下さい。

約800人の学生が在籍しており、ファインアートと応用アートを平行して教えている学校です。このシステムは伝統を伝えるのにとても適しているだけではなく、学校が理解するところの教育におけるルールを反映しています。上手く保たれ、洗練され続けてほしい素晴しいものです。


Photo by Matthias Ernstberger and Katia Kuthe

この学校は、もともとあった2つの学校が合併したものです。「美術アカデミー」は、1761年に、そして「ウッテンベルグ美術学校」は1869年に設立されました。1902年に合併されました。「シュツットガルト美術アカデミー」の創設者、ベンハルド・パンコックは、美術教育のおける実践的なトレーニングの重要性に気付き、バウハウス以前に実行に移しました。彼のこの伝説は、ファインアート、並びに応用アートの相互作用であり、実践と、今日教室に見られるような高品質の設置に重要性をおいたものです。


Photo by Matthias Ernstberger and Katia Kuthe

雑誌発行までの経緯について教えて下さい。

ハンス・ジョージ・ポスピッチル教授は、FAZマガジンのアートデレクターでしたが、学生によってデザインされ、出版される定期的に発行される一つのテーマに沿った雑誌が作れないか、というアイデアを持っていて始まりました。いつも違う生徒によって最新号は作られます。以前取り上げられたトピックとしては、空白(1号)、無気力(2号)、レプリケイター(3号)、数字の4(4号)、グット・ピクチャー(5号)、人工的なもの(6号)などです。


Photo by SCS

最新号のテーマは“コミュニケーション”ということですが、内容を教えて下さい。

コミュニケーションというトピックに関連した、バラエティに飛んだ記事で雑誌を編成する、というのが今回の目的でした。面白そうな内容、どんどん表に出て来ているアートとデザイン・フィールド、文化、科学、そしてテクニックに及ぶまで徹底的に調査しました。
より充実した内容にするために、 AM7では、例えばパリのアーティストの作品「スペース・インベーダー」や、ディスプレイというスイスのデザイングループが手掛けているウェブプロジェクトなどをフィーチャーしています。
また、航空交通管制塔とパイロットとのコミュニケーション、現代における電話の重要性の変化、トラックターボリンのデザイン、コミュニケーション性、ヨーロッパ諸国毎の色の好み、メール・アートの歴史等に関する記事も載せています。メール・アートについての記事を書き終えた後、現在にアイデアを移転させる私達独自のメール・アート・プロジェクトを始めることにしました。実はこれが AM7ファイルエクスチェンジプロジェクトのスタート地点でした。DIN-A0 のポスターや、ステッカー、デカルシートは、 AM7にあるコラムの一部です。これらは記事と読者の間のインタラクションスペースとして使われています。私達は読者に、相互作用している間に記事を統括する可能性を、コラムとサプリメントを利用して気付いてほしいのです。

何故ウェブではなく、雑誌という手法を選んだのですか?

それは私達は、エディトリアル・デザインに重点をおいたグラフィック・デザインを学んでいるからです。私達はプリント・メディアと強いつながりを持っています。その他にも学校に、オフセットやシルクスクリーンなどの印刷の機械があるのも理由の一つです。私達が特にこだわったのが印刷の質、紙の選択、そしてその後の仕上げです。ですから読者に普通の雑誌以上のものを供給することは、私達にとっては重要な事であり、オールドメディアと呼ばれるものだからこそ可能なことでもあるのです。

学生が運営しているプロジェクトとしては、この雑誌はとても質が高いと思います。コントリビューションと資金に関しては何を気を付けましたか?

報酬を払うことができないために当初は、ライターを見つけ、説得するのにとても苦労しました。資金対策に関しては更に大変で、 AM7発行に至るまでの広告を出してくれるクライアントを獲得するのは、苦労しました。

結果には満足していますか?あるいは何か違ったものを期待していましたか?

二人ともAM7の出来には満足していますが、もうすでに次のプロジェクトにとりかかる時期が来ています。

現代のグラフィックデザインで一番興味がある人、作品は何ですか?

タイプ・デザイン、コーポレート・アイデンティティーズ、エディトリアル・デザインとポスターに興味があります。M/M、ノース、TDR、TDMの作品もいいですね。昔のデザイナーでは、オトゥル・アイチャー、ウィム・クローウェル、スイスのデザイナーのジョセフ・ミュラー・ブロックマン、ポール・ロース、マックス・ベル、そしてもちろんアルファー&ラクロイクスのフランコ・グリナーニ、ミモ・カステラーノ、AG・フロンゾーニなどが好きです。

現在のシュツットガルトのデザインシーンはどういうものですか?

2、3しか良いデザイングループがいないのが現状です。

今後の予定について教えて下さい。

今は卒業に向けて勉強しています。これは2002年の4月には終わる予定です。卒業に向けての私達のテーマは、フォント・ラベル・シニュタイプです。卒業後、スタジオの設立にも取りかかる予定です。

AM7
住所:Neue Weisteige 12A, 70180 Stuttgart, Germany
TEL:+49-177-7443980
info@amsieben.com
http://www.amsieben.com

Text: Timo Linsenmaie
Translation: Sachiko Kurashina

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE