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モック

PEOPLEText: Joerg Radehause

5人で活動されていますが、仕事はどのように振り分けているのでしょうか?

モックは当初、グラフィックデザイナー3人、プログラマー2人の5人編成でしたが、今は9人になっています。モックが始まった頃から、何人かが運営と経営に深く関わっていましたが、現在はプログラマーと他のセクションにそれぞれ二人ずつ増え、アシスタントとプロジェクトの運営をしています。

モックの基本理念に必要不可欠なものは、クリエイティビティーの絶対的な統合と、リサーチによるデザイン、テクノロジー、一致のハーモニー、それと新しいコンセプトの開発です。デザイナーだけではなく、プログラマーもアイディアの構成に参加する事が大切です。モックのクリエイティビティーは良いチームワークの結果なのです。

インスピレーションは何処から得てますか?

デザインの歴史、インターネット、アート関係の本、映画、自然、そして都会の生活から得ています。私達の周りにあるものに目を向けることはとても大切です。例えば、注意深く観察すれば、沢山の事を自然から学ぶことができるのです。都会での人々の生活形態、習慣、そして彼等の夢から、私達の作品制作に影響を受けることもあります。全ての出来事に気を配ることと、生活のなかで発生する面白いことはクリエイティブになるために必要なものを持ち合わせているのです。

好きなデザイナーとアーティストは誰ですか?

ロレンゾ・マトッチ、カサンドレ、マンボ/レグ・モンバサ、タマラ・デ・レンピッカ/アート・デコ・ピリオド、J・ドゥブフェット、A・フランキン、P・クリー、G・ダロー、ハンス・アープ、J・O・セイボルドが好きですが、他にも沢山好きなデザイナー、アーティストがいます。

シフトについてどう思われますか?また、今月号のカバーを作るにあたって何をイメージしましたか?

今回のカバーは、きれいなものだけど、クリスマスシーズン特有のストレスを表現しようと思いました。みんなが、友達や家族へのプレゼント探しに、てんてこまいしている時期ですからね。何か便利なものを探すことは、以外と難しく、結局ありがちなネクタイや香水などに行き着いてしまいますよね。ギフト産業は、例えば電動缶切り機や、電気で動く犬などジャンク製品開発に余念がないわけです。

このカバーでは、私達のキャラクター、ミックがシフトからプレゼントをもらっています。ふわふわした感じの音楽と共にクリスマスツリーが箱から出て来ます。ミックはプレゼントをもらってとても喜んでいますし、感謝の気持ちをあらわしています。このアニメーションは、ミックのメッセージシリーズのひとつでもあります。このシリーズは次期に、最近開始した私達のウェブサイトの中のアニメーションのオンラインカードセクションでフィーチャーされることが決まっています。

モックオフィスでは、私達が生活している文化の影響として、奇妙なアイディアが飛び交っています。その中のいくつかは、将来のモックの作品の出発点にも成りえます。ユーモアと誇張は、モックのエンターテイメントのコンセプトの基本となるものです。私達は、クライアントを楽しませるのが好きですし、面白いコンセプトがあれば、仕事も楽しんでできるのです。

ベルリンで活動することについてどう思われますか?ベルリンを拠点とするデザイン会社と、接点があったりするのですか?

ベルリンはカルチャーエンターテーメントの変化と不変の交互が存在する街だと思います。沢山の外国人が素晴しい才能を持って移り住むのも、ベルリンの特徴です。旧東ドイツ地域の再構成の為のトランスフォーミング・サブカルチャーが、ものすごい早さで広がって行っています。まだオーガナイズされてはいないものの、ベルリンにはデザインカンパニーが活動を始めるには良い、新しいエリアが沢山あります。

他の会社と連絡は取っていますが、時々、同じ市内にある会社同士なのに、他の町や海外で行われた会議でしか会うことができないのは、少し寂しいので、どうにか上手くならないものかと思っています。

ドイツのマルチメディアシーンについて、どのような意見を持っていますか?

マルチメディアワークにおけるドイツという国は、だんだん興味深いものになってきています。堅苦しくつまらないデザインばかり作られた時代がドイツにもありました。しかし現在は、特にオンラインセクターにおいて、作品の質はぐんぐんと上がっています。クライアントが、以前では絶対にしなかったことを今では求めている、ということです。

残念なことと言えば、まだデザインと美学に対する世間の認識が低いことです。時にそれはまるでドイツ人が使い勝手とウェブが提供するサービスにだけ感心があるように思われがちですが、それはただ、人々がウェブサイトでもっといろいろなことができる、ということを知らないだけなのです。アプリケーションの多くがよりシリアスなものになるべきなのですが、クライアントを楽しませ、情報満載のアプリケーションの作成をするために、彼等を説得するのは、いつも至難の技なのです。それは彼等が、お客さんに売る商品として、それらのアプリケーションは十分シリアスなものではない、と疑っているからなのかもしれません。

日本のデザインと文化についての印象はどうですか?

日本文化は好きですし、とても刺激的だと思います。全体的にビジュアルメッセージ、キャラクターデザイン、多くの目を楽しませる作品が、日本にはありますね。ドイツには、そのような面白い話に結びつく簡単なアプローチがないことが残念です。

最後になりましたが、今後の活動予定を教えて下さい。

モックとして、私達はいつもベストなアイディアを探し求めていますし、テクノロジーを駆使してそのアイディアを実行に移す努力をしています。その他、もっと沢山の人がユーザーになって楽しさとエンターテーメントの場所としてのウェブの存在に気付いてほしいです。哲学の分野にも足を踏み入れてみたいですし、よりハイ・クォリティーなエンターテイメントのコンテンツ、ウェブの為のもっと進んだアプリケーションを作って行きたいです。

Moccu
住所:Christburger Street 46, 10405 Berlin, Germany
TEL:+49 30 4403 2985
https://www.moccu.com

Text: Joerg Radehause
Translation: Sachiko Kurashina

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