アンチロム・イズ・デッド
HAPPENINGText: Nicolas Roope
最近、世界中のニューメディア産業の倒産や買収という話をよく耳にするが、僕達の番がやって来た。が、それは少しもドラマチックなことではないのだ。
2、3週間ほど前、アンチロムの何人かのメンバーが、もうここでは仕事を続けて行きたくないという決定を下した。彼らは商業的な仕事よりも、研究や実験的なことに興味があるのだ。僕達は4分の1のメンバーが去ってしまった今、もはやアンチロムとしての仕事を続けて行くのは無理だということを悟った。
プレスリリース:
アンチロムは、アンチロムの傘下のもとにいくつかの関連グループに細分化されることとなりました。それぞれアンチロムの中心的なビジネスにおける局面を発展させて行く予定です。文化的、技術的な環境の急激な変化を処理するにはこれが最も良い方法であり、我々の多様でクリエイティブな活動力を発表するためには最も効果的な方法であると考えています。それぞれのグループが独立して運営されることとなりますが、アンチロムの活動範囲内で活動する関連会社が互いに質の高いコラボレーションができることを期待しています。アンチロムのドメイン、ウェブはそのままにアンチロムとしてもパフォーマンス、インスタレーションを続けて行くつもりです。
オリジナルメンバーによる会社が3つできた。一つ目は「トマト・インタラクティブ」。もう一つは名前はまだ無いが、アンディ・キャメロンとジョーによって運営されている。そして僕の主宰する会社「50cc」。
3つとも以前アンチロムがやっていたように、質が高く革新的で芸術的なことをしていくつもりだ。しかし、興味の範囲はそれぞれ異なったものになるだろう。
ビリヤードテーブルがドアの外に運ばれた。僕ももうじき今までの作品と共にここを出て行く。ダンボール箱が床に散乱し、皆壁から写真や過去に一緒にやって来たものを引き剥がしている。子供を引き離されるような感じだ。
だが、まだ終わったわけじゃない。
Text: Nicolas Roope
Translation: Mayumi Kaneko