「デジタイズド・ボディズ(デジタル化された体)」展

HAPPENINGText: Judith Finn, Mark Griffith

10月もあと2、3日で終わりというある日、キャッスル・ヒルの上にあるルートヴィヒ現代美術館で開催されているサイバーアートの展覧会「ディジタイズド・ボディズ」に訪れた。10月25日から11月25日まで開催されるこの展覧会は、トロント(カナダ)、ブタペスト(ハンガリー)、ルビヤーナ(スロベニア)からのアーティストが参加。10月26日には、日本人アーティスト、アタウ・タナカのパフォーマンスも行われた。

展覧会のインスピレーションは、医学での「デジタル化された」身体の使用の増加にある。たとえば、VRML(仮想現実マークアップ言語)で記録および操作できる特定の人間の体の3D描写により、世界中の医学生が人間の臓器の3次元モデルを誰でも表示できるようになった。

これらの徹底的にスキャンされた人体モデルに加え、インターネットビデオフィードや、時にはインターネットを介したロボットツールを用いて、複数の医師がリアルタイムに遠隔で難しい手術に共同作業できるリモート医療もますます増えている。

本イベントはこのインターネットによる新しい医療の2つの状況に着目した。サイバースペースの複数の場所に同時にいるという感覚は、私たちの体についての具体性を低下させる可能性がりる。情報を操作するにつれて自身の体や組織の実質がなくなることは、実際の細胞や組織を操作することとますます同じになる。

インターネット自体がますます有機的な存在 ー 血管のカラースライド、神経線維の地図、またはあらゆる種類の細胞が集まって生きている木のような構造を見たことがある人なら誰でも知っている ー 生きているネットワークのようになっている。

そのため、ライブビデオフィードとブロードバンドを使用して、展覧会を複数の場所で開催する。ある時点で、主催者は希望(または恐れ)していた展覧会、そして出展者は成長し、有機体になっていくのである。

Digitized Bodies
会期:2001年10月25日〜11月25日
会場:Ludwig Museum
住所:Komor Marcell u. 1, 1095 Budapest
TEL:+36 1 555 3444
https://www.ludwigmuseum.hu

Text: Judith Finn, Mark Griffith
Translation: Sachiko Kurashina

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