ロビン&ルシアン・デイ

PEOPLE

ロンドンに住んでいる人は、おそらく自分の周りに存在するデザイン全てには気付いていないだろう。ロンドンの街は進行中のライブエキシビジョンのようなもので、特に公共スペースでそれを実感することができる。君が心地よく座っているその椅子は、イギリスで最も成功を収め、影響力のあるデザイナー、ロビン・デイによってデザインされたものかもしれないのだ。


先日僕らは、ロビン&ルシアン・デイの作品をフィーチャーしたエキシビジョンを見に、バービカンアートギャラリーに出掛けた。デイ夫妻は、僕達が今までに出会った中で最もエキサイティングなカップルで、80歳になった今もショーを開催し続けている。実を言うと、デイ夫妻のことは3ヶ月前にインテリアショップ「HABITAT」でロビン・デイのデザインの椅子を買うまで全く知らなかったのだが、今となっては彼等の大ファンとなり、ほとんど人生の目標のようになってしまった。デイ夫妻は並外れたカップルで、50年以上も同じ分野で仕事をし、 商業的にも成功を収めている。 トレンドに惑わされず、全作品を通して彼等の目的を簡単に見極めることができる。もちろん、トレンドに何らかの影響は受けているが、彼等自身の影響の方が幾分強烈なようだ。彼等が自分達だけの世界に生きていたと想像するのは容易いが、間違いなくそうではない。彼等は、僕らと同じ世界に生きつつも、もう1つの世界を作り上げているのだ。その結果としてのアウトプットは、木の葉の形から地下鉄を待っている時間に至るまで、彼等にとって興味のあること全般に及んでいる。

ロビン・デイの作品は、地下鉄の駅や教室、コンサートホールなど、常に至る所に存在しているようだが、それに気付くのが難しいこともある。なぜなら彼は、僕らが当たり前に思うような家具をデザインし、それらは実用的で座り心地が良く低価格で、デザインは一見シンプルだからだ。だが、そのデザインは、本当の意味で複雑だ。ルシアンは、布地に関して同じことをやっていて、カラフルで半抽象的、グラフィック的なデザインを作り上げている。彼等のデザインは、空間をモダンで明るく、大胆で進歩的で現代的なものに変えてしまう。ロビンの家具の形と素材には、時代の要求に対する素晴らしい理解があり、その色と人生の自然な動きが、ルシアンのプリント地に反映されている。


通常デザイナーの作品を購入するとなると、銀行強盗でもしなければならない程の金がかかるが、HABITATでの20世紀クラシックセールでは、デイ夫妻のデザインに投資することができた。 HABITATでは、現代の伝説的デザイナーとコラボレーションを行い、元のデザインとは少し違ったものにはなるが、そう高くない価格でデザイナーの作品を提供している。 HABITATがデイ夫妻の作品を扱うきっかけとなったのは、その制作プロセスに対する理解からだった。今日のデザイナーはコンピュータースクリーンの前で大半の時間を費やすが、デイ夫妻の作品は、より実践的なアプローチで制作される。様々なプリント地がいっぱい詰まったルシアンのスケッチブックを見れば、なぜ自分がこれ程までにコンピューターに依存しているのだろうと疑問に思わずにいられないだろう。彼等の成功は、そういった手作り感、特にルシアンの作品によるものだと言える。

僕達がロビン・デイのポリプロピレンの椅子を買ってから3ヶ月が経った。セールで各20ポンド引きで買ったその椅子は、今のところ快適だ。

デイ夫妻のようなキャリアと人生を経験することができればと思う。うらやましいとは思わないが、純粋に感心させられる。

Text: Karl and Yasmeen
Translation: Mayumi Kaneko

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