マイクロミュージック

PEOPLEText: Andrew Sinn

「ハイテクな人達のためのローテクミュージック」をテーマとしたウェブコミュニティー、マイクロミュージック。 コモドア64ゲームの多くの音楽をプレイすることができるマイクロステーションと共にスタートし、ゲームサウンドのサンプリングをベースに現代音楽を制作し始めた音楽制作者達のプラットフォームへと発展している。誰もが自分の曲をアップロードすることができ、「クオリティーフィルターシステム」を通すことによって、サイトからダウンロードできるようにもなる。

僕のお気に入りのマイクロミュージックの曲は、マイクロミュージックが、ゲームボーイ版スーパーマリオの音サンプルを提供したコンテスト、スーパーマリオ・リミックスコンテストで生まれたYARBLADの「スーパーマリオブラザーズ・テクノ」。現在までに、100以上もの曲を提供している。

MFOCでは、クラブというよりはギャラリーといった雰囲気のオープンしたてのクラブ8に彼等を招き、プレイを行った。バルコニーのある2階建てのクラブ8は、プレイする側、見る側両方にとって絶好の場所だ。マイクロミュージックのクルーは4人。カールとワンガは、コンピューターを使った音楽とダブをプレイし、ヴィオラとシュガーが、その曲に合わせてビジュアルを制作。音楽はかなりクールで、すぐに踊りたい気分にさせる曲だった。特に、「プシロドンピューター」が最高で、僕の身体はその曲に完全に支配されてしまった。逆に、パーティーに来ていた観客達の多くは、そのパーティーをコンサートか何かのように考え、踊るというよりはじっと黙って見るショウのようなものだと勘違いしていたようだった。

一般の人達にとって、こういった類いの音楽は多分奇抜過ぎて、雑誌か何かで今流行りのダンスミュージックは、2ステップだという記事を読んだからかもなのしれない。彼等は、コンピューターゲームをし始めた遠い昔に身体を動かすのを止めてしまったコンピューターおたくたちで、踊り方を忘れてしまったのかも。それとも、アーティストの上方で投影されていた、僕にとっては新しい踊り方を思い付くきっかけになったファンキーな8ビットのニンジャやゲームヒーローのビデオアニメーションの催眠術にかけられて、動けなくなってしまったのかも。なぜみんな踊らないのかは分からないが、僕にとっては最高の夜だった。

彼等のウェブサイトを覗いてみることを強くお勧めする。音楽をダウンロードするにはまずアカウントをゲットすることが必要。ループネットのリアルビデオ(DSL/ISDN)特集では、音楽、アニメーション、インタビューをフィーチャー(ドイツ語のみ)。

マイクロミュージックの第1弾CD「Micro_Superstarz 2000」もリリースされた。かなりいい曲ばかり収録されていて、マルチメディア的な要素も盛り込まれているので要チェック。

Text: Andrew Sinn
Translation: Mayumi Kaneko

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