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エール

PEOPLEText: Satoru Tanno

それは一通のEメールから始まった。あるパリジャンからのメールで日本のインディーズのあるCDを探しているというものだった。こちら(日本)に住む者にとって、そのCDを見つけるのはそう難しい事ではなかった。すぐそれを郵送したのだが、替わりに何かお礼がしたいというので、実現したのが、「AIR」(エール)のインタビュー。
僕らにとって容易かったのと同様に彼にとってもエールのレコード会社「SOURCE RECORDS」にコンタクトを取る事はそう難しい事ではなかったようだ。
日本でも人気の高い彼らに、気になる事を色々と聞いてみた。

まずはじめに、日本でエールがメジャーになり、「ムーン・サファリ」のセールスが好調だということについて、どう思うか教えてください。

レコードが売れることはエールにとって良いことです。でも、僕達にとっての成功は、商業的なことではありません。全体的な音楽シーンの中で何か新しいことをしていくことに、誇りを持っています。

では、日本については、どういういう印象がありますか?

日本は、伝統的な態度と将来的な姿勢がミックスした国だと思います。日本は、過去と未来の国です。

「ムーン・サファリ」のジャケットに、「フレンチ・バンド」と記載されていますが、フランスのバンドだということを意識していますか?

「フレンチ・バンド」と付けたのは、B級ユーモアです。僕達は、フランス人であるということに、誇りを持っていません。フレンチスタイルでやりたかったのです。

今のフランスのミュージックシーンでおもしろい動きはありますか?また、お気に入りのミュージシャンはいますか?

フランスでは、テクノが特に活躍しています。ダフト・パンクやカシウス、フェニックスが好きです。

なぜ、エール(AIR)と言うバンド名にしたのか教えてください。

フランス語で「AIR」はメロディーという意味です。簡潔で、軽い名前です。それが、僕達が音楽に求めているものなのです。

ビデオクリップやCDジャケットのデザイン、サウンド、そして、クリエイティブなものに関する全てのものの音楽的、ビジュアル的な表現に、いわゆる「クラシカルな未来」といったような一定のコンセプトがあるように見えますが、あなた自身、そのようなテイストが好きなのですか。それとも、今回のCDのためだけの一時的なアイディアなのですか?

僕達はマイク・ミルズと一緒に仕事をしています。彼はアートワークに関しては天才です。彼と一緒に感動的で奇妙な世界をつくりあげていくのは楽しいです。僕たちは夢、そして、あなたが言ったように、ユニバーサルな未来が好きです。

エールがつくりだす音楽は一般に、アブストラクトラウンジと呼ばれ、同時に、90年代に求められる、聞いている人を精神的にリラックスさせる効果があると思うのですが、音楽をつくる時にいつもどんなことを考えていますか?

はじめは、映像も夢も浮かんではきません。ただ、ハーモニーを感じるだけです。トラックを重ねていくにつれて、魂がそれを表現するのです。そして脳は、音楽を表現しろと命令し続けるのです。

「デイズド&コンフューズド」マガジンでのインタビューで、最も好きなバンドとしてビートルズをあげていますが、ビートルズのアルバムのなかでどれが一番好きですか?

個人的には、全部好きですが、サージェントペッパーは僕にとって、素晴しい旅です。

次回作のアイディアはありますか?

全くありません。それがアルバムの準備には良いのです。

今後のプランについて教えてください?

やりたいことや行きたいところは沢山あるけど、とりあえずは音楽です。家で音楽をつくりたいと思っています。

どうもありがとうございました。これからも良い音楽をつくり続けてくれることを期待しています。次のアルバムが日本で発売された時には必ず、それを手にすることでしょう。

Text: Satoru Tanno
Special Thanks to: Mathieu Araud, Anthony Augendre

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