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ブルーマン・グループ

PEOPLEText: Rei Inamoto

ブルーマン・グループ

3人の青塗りの男達というアイディアは、 実にユニークだ。 3人の青塗りの男達が意味のない行動をするというのもまた、さらに奇妙なアイディアだ。それこそが「ブルーマン・グループ」であり、1991年にアストルプレイスで活動を開始して以降10年目を迎えるブルーマン・グループなのだ。

10年前の活動開始以降、 ブルーマン・グループは素晴しい成功を成し遂げてきた。 現在では、ニューヨークだけでなくボストンやシカゴ、さらにはラスベガスでもショウを開催している。また最近では、インテルのコマーシャルにも登場し、ペンティアム3のロゴをモチーフにパフォーマンスを繰り広げ、インテルのコマーシャルの中でも最も印象的なものに仕上がっている。

ブルーマン・グループは、オリジナルのクオリティーを残しつつも商業的に成功を収めた実験的な演劇活動の90年代のアイコンと言えるだろう。デ・ラ・グアルダもそのひとつだ。

ブルーマン・グループのショウは、 3人の青塗りの男達がペンキとマシュマロで「アート」を作り上げることがら始まる。メンバーの一人が別のメンバーに向かってペンキ玉を投げ、そのメンバーが口でペンキ玉をキャッチし、それをカンバスに吹き付ける。ペンキ玉を投げた同じメンバーが、また別のメンバーに向かってマシュマロを投げ、それを口でキャッチするというのを何度も何度も繰り返し、マシュマロの「彫刻」を作り上げる。

ブルーマン・グループは、ごく家庭にあるパイプやチューブなどを材料に独自に発明したシロフォンを使って音楽も制作し、実際に、CD「THE BLUE MAN AUDIO」もリリースしている。ブルーマン・グループが使うもうひとつの楽器として、ドラムがある。シロフォンと同様にシンプルだが、驚くべき効果を発揮する。ショウのある場面で、真っ暗な中で発光ダイオード入りの長いスティックを使ってドラムを叩くシーンがあり、演劇的な体験と共に、独特なタイプグラフィー的演出を見せている。

20世紀後半に絶大な影響を与えたアメリカ人アーティスト、 ブルース・ナウマンが かつて言った言葉の中に、「言語が便利なコミュニケーションの道具として扱われ始める点で、ポエトリーやアートにも同じことが起こる」というのがある。ブルーマン・グループは今、まさしくその点上に立っている。

Text: Rei Inamoto
Translation: Mayumi Kaneko

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