ジョナサン・ウェルズ

PEOPLE

今年で 3回目を迎えるデジタルフィルムフェスティバル、RESフェスト。毎年世界中から多くのデジタル作品が集結し、さまざまな都市で上映されている。フィルムメイキングの未来にスポットをあて、他のフィルムフェスティバルとは異なったアプローチで、全く新しいテクノロジーを模索し続けている。
フェスティバルのディレクターであり、RESマガジンの共同創設者でもあるジョナサン・ウェルズ氏にお話を伺いました。


まずはじめに、自己紹介をお願いします。

ジョナサン・ウェルズ。RESフェストのフェスティバル・ディレクターで、RESマガジンの共同設立者であり、エディターでもあります。

RESフェストとは、どのようなイベントなのですか?

RESフェストはデジタルフィルムフェスティバルです。フェスティバルで上映するフィルムは全てデジタルビデオカメラ、コンピューター編集/エフェクト/アニメーションソフトウェアで作られたものです。
RESフェストが初めて開催された時からそういったフィルムを通常の映画館ではなく、違ったフィルムセンターで上映してきました。私達はデスクトップから生まれたもの(そのほとんどは15インチのコンピューターのモニター以外では見ることが出来なかったもの)が最新のデジタル映写技術によって大きなスクリーンでより多くの人達が見ることが出来るようになるべきだと信じています。

フィルムの上映以外にもRESフェストでは、デジタルフィルムメーカーたちのネットワーク、コミュニティーを築く目的で、パネルディスカッションや展示、パーティーを行います。
このことがRESフェストを他のフィルムフェスティバルとは違うものにしているのです。

今年で3回目となりますが、始めたきっかけを教えてください。

1997年にRESフェストが始まる以前の1995年に開催された「The Low Res Film Festival」というイベントにRESフェストのルーツがあります。以前のパートナーと私は、自分達が当時サンフランシスコ周辺で制作していたデジタルムービーを上映することにしました。それで世界中にもデスクトップデジタルムービーを作り始めている人達がいることを知り、これが、デジタルムービーを上映する最初のフェスティバルとなったのです。

それぞれの開催地で違いはありますか?

ツアーで回るどの都市でも同じフィルムを上映していますが、観客が同じフィルムを見て違う解釈をするのを見るのはとてもエキサイティングなことです。それぞれの都市がRESフェストにその都市特有の雰囲気を与えてくれます。「フィルムメイキングの未来」というパネルディスカッションを行っているのですが、それには各地で様々なゲストスピーカー、パネリストが参加しています。オープニングパーティーやイベントにもその都市特有のゲストDJが登場します。

今年はサンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスで開催されますが、今後他の国で開催する予定はありますか?また、日本での開催はどうですか?

RESフェストの最初の海外進出は1997年春のことで、1回目のONEDOTZEROと同時にロンドンのICAで開催されました。今後日本でも RESフェストがポピュラーなものになると信じていますし、最近は東京で何かやろうと取り組んでいます。

今現在、どのくらいの作品が集まっていますか?

最初の年は75エントリー、昨年は350を超えるエントリーがありました。今年は500エントリーを目標としています。デジタル短編フィルムやデジタル長編フィルム、インタラクティブな作品を募集しています。最終締め切りを6月15日まで延長したので、是非日本からもご応募ください!

今年はどのようなイベントになりそうですか?

今年のツアーは熱狂的なものになることを期待しています。昨年は3作品のデジタル長編フィルム(The Celebration、The Cruise、The last Broadcast)を見ることが出来たので、デジタルフィルムメイキングに対する意識と可能性がそこから生まれることになるでしょう。

イベントの他に、RESマガジンも発行されていますね。ここではどのようなことをしているのですか?

この雑誌はフェスティバルのスピリットを紙上で捉えるものになっていると思います。フェスティバルのスタッフであるジョン・スカリス(専務取締役)、ジョン・ターク(プロダクションマネージャー)、コリン・メトカーフ(アートディレクター)は、雑誌の制作にも貢献してくれています。

また、フェスティバルと同じく、個人で活躍しているアーティストに注目しています。他のデジタルビデオを扱う雑誌と違って、表紙に製品などではなく人物を掲載しています。
どの号でもフィルムメーカーやブロードキャスト、ウェブデザイナー、ミュージックビデオディレクターなどの動画の可能性を広げている人達の輪郭を描き出しています。

注目しているアーティストを教えてください。

1997年のフェスティバルで「Wood Technology in the Design of Structures」というタイトルの非常に素晴らしいフィルムを制作した、エリック・ヘンリー。

次に1998年に上映した、トミー・パロッタとボブ・サビシトンによる「Roadhead」という作品。このフィルムはアニメドキュメンタリーで、ボブがフィルムを制作するのに使用した彼独自のソフトウェアを描いたものです。

これら2つのフィルムは、それまで使われていたデジタル技術なくしては制作することが出来なかったフィルムの新しい形を示してくれました。未だにそれらは今までと同じテクノロジーでは定義することが出来ません。これは未来を垣間見ることで、より多くのアーティストがテクノロジーを自分の物にし、誰もが想像もしなかったような方法でそういったツールを使い始めています。

日本についてはどう思いますか?

日本から生み出される新しいデジタルツールやおもちゃにはとてもエキサイトさせられます。もっとエキサイティングなのは、フィルムメーカーやアーティストがこれまで予想も出来なかったような方法でどのようにそれらのツールを使うかということを考えることです。トーマス・ヴィンターバーグがソニーのワンチップのビデオカメラで長編フィルム(Festen aka Celebration)を撮影し、それを35ミリフィルムに書き換えてカンヌ映画祭で賞を取ることをソニーの誰が想像出来たでしょう?

東京でRESフェストを開催することが出来るのを楽しみにしています。(子供の頃に父が東京に住んでいて、何度か行ったことがあります。)また、RESフェストで斬新な日本のデジタルフィルム作品を見るのが楽しみです。

RESフェストは今後どのようになって行くのでしょうか。

2年前にはデジタルフィルムメイキングという言葉を聞いたことがある人はごく少数しかいませんでした。今後2年間のうちに、多くのフィルムフェスティバルがフィルムを上映するのにデジタル映写を採用し始めるようになることを期待しています。

RES
住所:109 Minna st., Suite 390, San Francisco, CA 94105 USA
TEL:1.415.437.2686
submit@resfest.com
http://www.resfest.com

Interview and Text: Mayumi Kaneko.

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