ステラーク

PEOPLE

PARASITE VISIONS ALTERNATE, INTIMATE AND INVOLUNTARY EXPERIENCES.


ここ数年、オーストラリアを拠点とし、インターネットへの新しいアプローチを試みているパフォーマンスアーティスト、ステラーク。
彼は自らの肉体を(第三の機械の手を使い)針金でインターネットに接続するパフォーマンスを行っている。外見上は彼がコントロールされているように感じるが、音を受信するというよりはむしろ音を発信する第三の耳を身体に組み込み、ウェブからJPEGイメージをランダムに検索するプロジェクターとして身体を作動させると同時に、無意識の筋肉運動を引き起こすように針金で接続した。(それらはその後リアルタイムでVRMLにマップされる)
最近では、6本の足を持ち、空気の力で動く特製の Exoskeleton(外装骨格)を身にまとい、歩き回っている。

ここしばらくの間オーストラリアを拠点に活動していますが、日本にも長く滞在していたとお聞きしたのですが。

日本には20年ほど住んでいましたが、ここ12年間はフルタイムでパフォーマンスを追求して行くことに決めたので、常に移動し続けています。1年のうち9、10ヶ月はオーストラリアを出て、ほとんどはヨーロッパで(時には日本やアメリカでも)パフォーマンス、プレゼンテーションを行っています。

肉体的な空間そのものが最近ますます重要ではなくなってきているようですが、このことが我々の肉体的、精神的な本能に影響を与えていることについてどう思いますか?

そうですね、どこか他の場所に行くということが特別なことと扱われています。常にいろいろな土地にいることでその地での経験がより流動性を持つようになり、とぎれることがなくなります。永久にさまざまな通貨、さまざまな文化に対応しなければならないのです。物事を当然のことと捉えることが不可能になり、さまざまな人種と交互にコミュニケーシュンを取る必要があるのです。時にはその結果が刺激になるが、気持ちの上では不安定になります。それがすごいスピードで個人的な関係や機能的な経験を破壊することになり、直接的な関係性は失われて行くのです。
しかし、Eメールでコミュニケーションすることで、多少はその問題に対処することが可能になります。

もちろんそれが我々をインターネットやビジュアルコミュニティーに導いているものだと思います。「Fractal Fresh」(1995年の「Telepolis」のイベント)のようなパフォーマンスでは、「自己」と「肉体」が限界から解放されるということの中に意味があり、インターネットコミュニティーは有機生命体の一種として存在し、そのもの自体を意識しそれに反応していました。こういった事が実現に向かうにはどのくらいかかると思いますか?

まず、個々や特別な環境において実際に何が起こっているのかということと、インターネットが想像上で何らかの建造物、またはコミュニティーになるであろうという憶測の二者を区別する必要があります。

Fractal Fresh」では、分裂した肉体になると同時に遠く離れた人と通信するという、特別で独特の経験をしました。どこかの誰かが自分の肉体にアクセスし、それを作動させることが出来るのです。彼らの観点から言うと、自分自身の意識と行動をどこか他の場所にある他人の身体に作用させる。私自身の観点から言うと、遠く離れた場所にいる人の行動を受け入れる宿主となる。私をプログラムした人物の顔を見ることが出来たのです。彼らは自分でプログラムしたものを見ることが出来ましたが、実際はそれは私の無意識の動きなのです。その身体は次々変わる欲望によって動きます。肌の触れあいを伴わない交わりであり、接近を伴わない交わりなのです。

Ping Body」や「Parasite」ではインターネットや検索エンジンのデータに反応して身体が動くというパフォーマンスを行いました。それはまるで、外見上の神経系統が視覚的に刺激を受け、電気的に身体を作動させているかのようでした。
そういった筋書きやパフォーマンスの中でインターネットは単なる情報や画像を伝達するメディアであるだけではなく、身体が空間的には離れているが、電気的には繋がっているという意味においては、肉体的に相互作用することが出来るものなのです。またはそのような生物学上の肉体は外見上の電気神経系統により増大し得るものなのです。
新しいプロジェクト「Movatar」で探求していることは、自分で考え操作する、知能が高いアバターが肉体的な身体にアクセスすることにより現実世界でのパフォーマンスが可能になるかもしれないということです。「Movatar」が身体を支配し、身体はそれを表現する媒体となるのです。そして身体そのものが動きと感情を表すアバターのための人工パーツとなるのです。

ほとんどの作品がコンセプチュアルであると同時に、サウンドと画像が時に物凄くパワフルで何かに立ち向かっているという印象を受けるのですが、アーティストとして自身の作品を視覚的に表現することにおいて重要視していることは何ですか?

アイデアというものはそれが実現した時にのみ面白くなるものです。私が常に言い続けていることは、アイデアは行動によって証明されるということです。興味深いことは、テクノロジーに変わって新しい可能性を構築するインターフェイスを経験することです。それによってより多くのアイデアが生まれます。パフォーマンスはコンセプチュアルな存在理由よりも肉体によってより表現されるものなのです。

では、今現在と今後の予定を教えて下さい。家に戻れるのはいつ頃になりますか?

現在は、Exoskeletonウォーキングマシンで6月までヨーロッパ(ドイツ、チェコ共和国、イタリア)を回っています。ハンブルグの私の邸宅の一部として最近完成した、空気の力で作動する6本足のロボットで、足の動きは私の腕のジェスチャーによってコントロールされています。人類の2足歩行の歩き方が昆虫のような動きにトランスレートされています。Exoskeletonの一部として、操縦者が私の右腕を9段階で自由に動かすことが出来ます。指はそれぞれ独立して動き、親指と手首は回転し、指は開いたり閉じたりし、それぞれ物を掴むことが出来ます。
空気の音は、スイッチをクリックするとバルブが変換し、操縦者からの機械的な動きと電気のシグナルが聴覚的に増幅します。動くマシンであると同時にサウンドマシンでもあるのです。サウンドは動きを振り付けすることにより作曲しました。
オーストラリアには8月には戻って来て、1ヶ月半ほどいる予定です。

Stelarc「in the flesh」
www.stelarc.va.com.au

Text: Adam Hulbert
Translation: Mayumi Kaneko

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