ステラーク

PEOPLEText: Adam Hulbert

Ping Body」や「Parasite」ではインターネットや検索エンジンのデータに反応して身体が動くというパフォーマンスを行いました。それはまるで、外見上の神経系統が視覚的に刺激を受け、電気的に身体を作動させているかのようでした。

そういった筋書きやパフォーマンスの中でインターネットは単なる情報や画像を伝達するメディアであるだけではなく、身体が空間的には離れているが、電気的には繋がっているという意味においては、肉体的に相互作用することができるものなのです。またはそのような生物学上の肉体は外見上の電気神経系統により増大し得るものなのです。

新しいプロジェクト「Movatar」で探求していることは、自分で考え操作する、知能が高いアバターが肉体的な身体にアクセスすることにより現実世界でのパフォーマンスが可能になるかもしれないということです。「Movatar」が身体を支配し、身体はそれを表現する媒体となるのです。そして身体そのものが動きと感情を表すアバターのための人工パーツとなるのです。

ほとんどの作品がコンセプチュアルであると同時に、サウンドと画像が時に物凄くパワフルで何かに立ち向かっているという印象を受けるのですが、アーティストとして自身の作品を視覚的に表現することにおいて重要視していることは何ですか?

アイディアというものはそれが実現した時にのみ面白くなるものです。私が常に言い続けていることは、アイディアは行動によって証明されるということです。興味深いことは、テクノロジーに変わって新しい可能性を構築するインターフェイスを経験することです。それによってより多くのアイディアが生まれます。パフォーマンスはコンセプチュアルな存在理由よりも肉体によってより表現されるものなのです。

では、今現在と今後の予定を教えて下さい。家に戻れるのはいつ頃になりますか?

現在は、外装骨格ウォーキングマシンで6月までヨーロッパ(ドイツ、チェコ共和国、イタリア)を回っています。ハンブルグの私の邸宅の一部として最近完成した、空気の力で作動する6本足のロボットで、足の動きは私の腕のジェスチャーによってコントロールされています。人類の2足歩行の歩き方が昆虫のような動きにトランスレートされています。外装骨格の一部として、操縦者が私の右腕を9段階で自由に動かすことができます。指はそれぞれ独立して動き、親指と手首は回転し、指は開いたり閉じたりし、それぞれ物を掴むことができます。
空気の音は、スイッチをクリックするとバルブが変換し、操縦者からの機械的な動きと電気のシグナルが聴覚的に増幅します。動くマシンであると同時にサウンドマシンでもあるのです。サウンドは動きを振り付けすることにより作曲しました。
オーストラリアには8月には戻って来て、1ヶ月半ほどいる予定です。

Text: Adam Hulbert
Translation: Mayumi Kaneko
Photos: Courtesy of the artist © Stelarc

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