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ワンダーフェスティバル 1999

HAPPENINGText: Chibashi

ここ数年の間にオタクカルチャーと称されていたアニメ系や、フィギュア系のマーケットが限りなく非オタク系のユーザーにまで広がりはじめている。それは例えばオタクとアートの融合を進める村上隆や、ジャパンアニメが世界中から注目されることになった攻殻機動隊や、ケンイシイ×スタジオ4℃とのコラボレーションによるテクノとアニメの融合、そしてジャンルを横断して盛り上がったエヴァンゲリオンのムーブメントなど、今更に思い出してみても面白いきっかけが続いたことは非常に大きな要因かもしれない。

しかし、なんと言ってもオタクカルチャーといってひとつのジャンルで括ることのできない文化的な豊かさや、技術力、魅力(セクシーさ)がもともとこの世界に詰まっていることが、ようやく一般的な認識レベルまで浸透してきたということかもしれない。海外のコミックやトイのムーブメントとは明らかに一線を画した、日本人的な趣向がそこにはある。

などと言った能書きを今更するまでもなく、究極のオタクカルチャー・イベントとも言えるワンダーフェスティバルは回を増すごとに動員数は増え続け、成熟したカルチャー・シーンの断片を今年も垣間みることができた。

毎年冬と夏の2回開催されているガレージキットの祭典、ワンダーフェスティバル(以下ワンフェス)。有明のビックサイトを会場に、毎年3万人近くの人がひしめく熱いイベントということで、開場前は早朝から異常なまでの長蛇の列。

今年は例年の経験から早めに並ぼうと思っていたのにもかかわらず、去年よりも列が長い!最後尾がどこにあるのか全くわからない。ようやく列につけば、あのビックサイトの巨大建築が小さく遠方に見える位置です。強者は携帯椅子を用意していたり、ゲームボーイ(必須アイテム)をやっていたり「待ち」に余念が無いのですが、更に強者は(日曜朝だけに)携帯TVを取り出して「ガサラキ」を見ている者もいました。サスガです。(きっと自宅ではタイマー録画もしているに違いない)

さて今年のワンフェスと言えば、「ガメラがワンフェスにやってくる!」とキャッチフレーズでうたうぐらいの意気込みで、GIII(マックじゃなくガメラ3)を大フィーチャー!巨大ガメラの模型や、ガメラ造形コンペ、それにG3の大迫力劇場版予告や、「GIIIを100倍楽しむ方法」と称したトークショーなどてんこ盛りです。日本特撮の最高の技術とこだわりを持ったガメラ3部作。初回では東京タワーをへし折り、前回は札幌はすすきのを破壊し、仙台壊滅!ときただけに、次作での渋谷駅と京都駅破壊とくれば期待は高まる一方デス。

さて、去年の冬のワンフェスでオタクとアートの融合を試みた村上隆が、今回は「S.M.PKO2.セクサロイドレボリューション」(2は二乗の2)というイベントを開催。「女の子が可変して飛行機になる」というテーマで、オタクカルチャーのセクシャリティーを言及するというもの。原型師はもちろん前回から参加のボーメ氏(海洋堂)。ボーメ氏は昨年青山の洋書店ナディッフにて行われた「エロ・ポップ・クリスマス」(村上隆キュレーション)で、オランダの輸入商が完成品フィギュアを¥700,000で購入して話題を呼んだということもあり、いよいよアート×フィギュアの世界もヒートアップを見せているというカンジです。

ワンフェスの主催と言えば海洋堂。そして海洋堂といえば、そのガレージキットのパイオニアとしてのノウハウの全てをつぎ込んで送り出されたブランド「XEBEC TOYS」でしょう!彩色済みのアクションフィギュアが日本でも急に(エヴァ以降?)増加し、おもちゃ好きにとって嬉し泣きな状況の中、XEBEC出現以降はその質やこだわりは留まることを知らない加速度ぶり。この値段でこんな凄いもの買えちゃう訳?と疑いたくなるできデス。現在やたら色々なところが出しているスポーン・ライクのデビルマンも XEBECが火付け役だし、タイガーマスクや北斗の拳、ゲッターロボもそうデス。

そして個人的に悶絶しそうな程嬉しいのがボトムズ。ワンフェスではまだ展示品扱いだったけど、ブリスターのロゴやデザインまで含めて最高デス。ボトムズ知らなくても買って下さいと勧めたくなるクオリティー。感動しました。

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