テート美術館 - YBA & BEYOND 世界を変えた90S 英国アート
HAPPENINGText: Alma Reyes
「スポットライト」のコーナーの一つでは、1982年に結成された社会学、心理学、アートの提唱者グループ、ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴを取り上げている。彼らは英国の黒人コミュニティの生活を記録した実験的映像を制作した。ジョン・アコムフラらによる映像作品《ハンズワースの歌》(1986年)は、1985年にバーミンガムのハンズワースで発生した激しい暴動をドラマチックに描いている。建物が燃え上がり、略奪が起き、警察と激しく対峙する痛ましい映像は、当時の英国において避けては通れない社会改革の必要性を告げるものであった。

ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ(ジョン・アコムフラ、リース・オーギスト、エド・ワード、ジョージ・リナ・ゴポール、アヴリル・ジョンソン、デイヴィッド・ローソン、トレヴァー・マティソン)《ハンズワースの歌》1986年 © Smoking Dogs Films; Courtesy Smoking Dogs Films and Lisson Gallery, Tate Collection
第2章「おおぐま座:都市のイメージをつなぐ」では、都市開発と雇用を停滞させた90年代初頭の経済不況を可視化している。この雰囲気を象徴するのが、レイチェル・ホワイトリードの《A:クラプトン・パーク・エステート、マンデヴィル通り、ロンドンE5; アンバーゲート・コート; ノーバリー・コート、1993年10月》(1996年)である。取り壊しを待つ低所得者向けアパートの荒涼とした様子を写し出した、モノクロ写真のシリーズだ。これらの情景は、サッチャー政権下での問題を抱えた住宅政策を想起させる。

左:ヴォルフガング・ティルマンス《ザ・コック(キス)》2002年 © Wolfgang Tillmans, courtesy of Maureen Paley, London; Galerie Buchholz; David Zwirner, New York, Tate Collection / 右:ヴォルフガング・ティルマンス《座るケイト》1996年 © Wolfgang Tillmans, courtesy of Maureen Paley, London; Galerie Buchholz; David Zwirner, New York, Tate Collection
90年代は、音楽、ファッション、サブカルチャーにおける自由な表現を扱う雑誌や広告が溢れかえった時代であった。その多くが、第3章「あの

ジュリアン・オピー《ゲイリー、ポップスター》1998-99年 © Julian Opie, Tate Collection
同じ壁面に展示されているのは、ジュリアン・オピーによる《ゲイリー、ポップスター》(1998-99年)だ。広告や純粋芸術の枠を超越した、シンプルでフラットな肖像画で知られるアーティストである。この架空のポップアイコンは、個人のアイデンティティの根源について問いを投げかける。
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