ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー
HAPPENINGText: Alma Reyes
1980年代に入ると、ルウィットはウォール・ドローイングにインク・ウォッシュを取り入れ、鮮やかな色彩を放つようになる。それは、巨大な《ウォール・ドローイング #770 カラー・インク・ウォッシュを塗り重ねた非対称のピラミッド》(初回展示1994年9月)に顕著だ。青い背景の上に、赤色、黄色、茶色、緑色、オレンジ色の5層が重なり、様々な角度のピラミッドを形成している。このピラミッドの構想は、彼がイタリア滞在中に深く心酔した15世紀クワトロチェント(初期ルネサンス)時代の作品に由来すると言われている。

Sol LeWitt, 《ウォール・ドローイング #770 カラー・インク・ウォッシュを塗り重ねた非対称のピラミッド》初回展示1994年9月、ルウィット・コレクション(コネチカット州チェスター) 《形態の複合 #6》1987年、東京国立近代美術館蔵 展示風景:「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」東京都現代美術館(東京)2025-2026年 © 2025 The LeWitt Estate/Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery. Photo: Alma Reyes
多面的なインスタレーション《形態の複合 #6》(1987年)は、色彩豊かなピラミッドの壁の前に立ち、鮮やかな対比をなしている。光り輝く白い多角形で構成されたこの作品は、基本的な幾何学を撹乱し、神秘的なまでの不安定さを提示している。

ソル・ルウィット《ストラクチャー(正方形として1, 2, 3, 4, 5)》1978-80年、滋賀県立美術館蔵 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery
さらに、圧倒的な存在感を放つ2つの巨大なインスタレーションも見逃せない。《ストラクチャー(正方形として1, 2, 3, 4, 5)》(1978–80年)は、彼のオープン・ストラクチャー理論を明快に形にしたものだ。白く塗られたユニット式の立方体フレームは、高さと幅において構成要素が1から5へと増えていく連続的な進行(シリアル・プログレッション)を示している。このデザインは感情ではなく、数理的な法則に基づいている。

ソル・ルウィット《シリアル・プロジェクト #1(ABCD)》1983年、千葉市美術館蔵 展示風景:「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」東京都現代美術館(東京)2025-2026年 © 2025 The LeWitt Estate/Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery. Photo: Alma Reyes
もう一つの目を引く作品《シリアル・プロジェクト #1(ABCD)》(1983年)は、塗装された木製の正方形や立方体が、開いた状態や閉じた状態で組み合わされ、ダークグレーのグリッド上に展開されている。緻密かつ体系的なシステムは、見る者の思考を刺激する。
ルウィットのコンセプチュアル・アートを深く探求することは、「美」そのものの先にある何か、あるいは私たちが「美」として視覚化しているものは、その背後にある根本的な仕組みを理解する自分自身の能力に依存しているのではないか、という問いを私たちに投げかけている。
ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー
会期:2025年12月25日(木)〜2026年4月2日(木)
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月曜日(2月23日は開館)、2月24日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
TEL:03-5245-4111(代表)
https://www.mot-art-museum.jp
Text: Alma Reyes
Translation: Hoshino Yoshihara





