デザイナート トーキョー 2025
渋谷を越えて、フェスティバルの創造的なエネルギーは外側へと広がる。
ティアーズギャラリーでは、HaKU Design Studio、カ・ガイネイ、tog/研/とぐ(春江紗綾+林海人)、庄司竜郎を含む4組の若手デザイナーが、工業生産とクラフトの境界を再定義し、時間、物質性、変容をテーマを探求する。
六本木のAXISビルでは、いくつかの主要な展覧会が開催。「siro exhibition 02: は、回る」では、14人のクリエイターが「回る」という概念を再解釈。アンビエンテック・ギャラリーは、新作「バルカロール」のローンチに合わせ、音楽、香り、照明を組み合わせた共感覚的な光のインスタレーション「Synesthesia」を開催。安藤寿孝と塩月卓也による、建築・アート・プロダクトを横断するデザインユニットVERCEは、廃棄された素材を瞑想的な美しさのオブジェに再構成する「Discarded, Discoveredー捨てられたあとに、始まること」を発表。
バング&オルフセンは、オーディオの頂点・洗練を極めたフロアスタンディングスピーカーに、24金メッキのディテールを施した豪華な「Beolab 90 Alchemy Edition」で創業100周年を祝う。GRANDIR Inc.+小阪雄造、田中悠史、市川善幾、萩谷綾香、佐藤洋美による、インスタレーション「時構の間/SEN-AN」は、LGSを用いて日本の茶室を精神的・感覚的な再生の空間として再構築。

GRANDIR + Yuzo Kosaka, Jikou no Ma | SEN-AN installation ©︎ Yuta Itagaki (KIENGI)
青山では、イトーキの新しい家具ブランド「NII」が、イタリア人建築家、ミケーレ・デ・ルッキ率いる建築スタジオ、エーエムディーエル・サークル、トッド・ブレイチャー、ロドルフォ・アグレラ、相崎準/クレムと制作した初のコレクションを「THE STAGE by NII」と名打った特別展示を開催。オフィスを創造性の劇場に変える。
その近くでは、エドラ初の東京旗艦店「Spazio Edra」は、イタリアの“デザイン大使”に任命されたエドラのクリエイター、ヤコポ・フォッジーニ氏を迎え、光・形・ラグジュアリーの対話をテーマとするエグゼクティブトークイベント「The Art of Elegance ― エレガンスの芸術性」を開催。
一方、日立グローバルライフソリューションズとカリモク家具のコラボレーションで、テクノロジーと温かさをライフスタイルデザインに融合させる。また、建築家・デザイナーの山下泰樹による DAFT about DRAFT は、デザインにおける自由な個性を表現するような、溢れ出す遊び心のある家具を紹介。

Dumb Type, WINDOWS ©︎ Nacása & Partners
本年の多くの見どころの中でも、その大胆さ、革新性、そして感情的な共鳴で際立っている展示・コラボレーションがある。
京橋のミュージアムタワー京橋では、先駆的なコレクティブであるダムタイプが、知覚と繋がりについての力強い瞑想的な作品「WINDOWS」を発表。世界中のカメラからライブストリーミングされた画像で構成されるこの作品は、無数の離れた風景を一つの流動的な「窓」に融合させ、視聴者にデジタル時代における“見る”という行為を考察するよう仕向ける。ダムタイプの初のパブリックアートインスタレーションとして、ロビー空間を静かな思索の場に変え、私的な内部と共有されたグローバルな視覚との境界を曖昧にするのだ。
銀座では、エルメス財団が、書籍「Savoir & Faire 金属」出版を記念し、銀座メゾンエルメス ル・フォーラムでメタル展を開催。この展示は、金属がもつ強度と繊細さという二重の性質、その象徴性と官能性を掘り下げ、この素材が工芸や文化、および哲学をいかに結びつけるかを問う作品群を通して探求している。
エスパス ルイ・ヴィトン東京では、アンディ・ウォーホルの名作から知られざる作品をも厳選した「Andy Warhol – Serial Portraits」が開催。反復性、著名人、そして仮面と鏡の両方としてのセルフイメージに対する彼の生涯にわたる関心を辿る。
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