ミランダ・ジュライ「F.A.M.I.L.Y.」
HAPPENINGText: Victor Moreno
アメリカのアーティスト、映画監督、作家であるミランダ・ジュライの個展「F.A.M.I.L.Y.」が、プラダ財団の協力のもと、ヘルツォーク&ド・ムーロン設計のプラダ 青山店で2024年5月9日から8月26日まで開催されている。本展は、ミランダ・ジュライの東京での初個展であり、2024年10月28日までミラノのプラダ財団にて公開中の彼女の美術館初個展「Miranda July: New Society」と同時開催となる。
Miranda July, @craigmontyjames (C.M. James), @donaldklee (Donald Lee), and @goatzfoot (Lisa Ziegenfuss) in F.A.M.I.L.Y. Boombox, 2024. Still from video. Courtesy of Miranda July Studio
ミア・ロックスがキュレーションした本展は、ジュライの最新作である、インスタグラムを通じた7人の見知らぬ相手との1年にわたるコラボレーションに基づくマルチチャンネルビデオインスタレーション《F.A.M.I.L.Y. (Falling Apart Meanwhile I Love You)》をフィーチャー。本作品の参加者は、ジュライからの『肉体的に、私に挑んでください』、『あなたの体で、複雑な人間に足り得ぬ形をつくってください』といった、一連のプロンプトに対するリアクション動画を送信し、それをジュライがSNSコンテンツ向けに開発された無料編集アプリの切り取りツールを使って自分のスタジオに取り込み完成させた、ジュライと参加者がまったく新しい身体言語を通じて親密さと境界線を模索するシュールなパフォーマンスのシリーズとなっている。
Miranda July, @craigmontyjames (C.M. James), and @thongria (Zoë Ligon) in F.A.M.I.L.Y. Ceiling, 2024. Still from video. Courtesy of Miranda July Studio
ジュライが参加型の作品を発表するのは、今回が初めてではない。2002年から2009年まで行われた彼女のプロジェクト《Learning To Love You More》は、70の創造的なオンライン課題で構成され、8000以上の応募があった。また、2009年のヴェネチア・ビエンナーレで初公開されたグラスファイバー製の屋外彫刻作品群《Eleven Heavy Things》は、鑑賞者が様々な形をした彫刻に開けられた穴に顔や手足を突っ込ませることで完成する、遊園地にあるフォトスタンドのような遊び心のあるインタラクティブ・スカルプチャーだ。
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