瓜生太郎

PEOPLEText: Ayumi Yakura

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「どうしたいか解らない病の処方箋」第四回イラスト, 2016年, 「花椿」資生堂

現在、ウェブ版の資生堂「花椿」で連載されている菊地成孔氏のコラム「どうしたいか解らない病の処方箋」でイラストを担当されていますね。あの雰囲気のある女性達は、文章を読んでから描かれているのでしょうか?

原稿をもらってからスタートします。「一瞬も 一生も 美しく」という資生堂のコーポレートメッセージ(お気に入り)を強くイメージして、文章に登場する人物の、特に一瞬の美しさを表現できるよう心がけています。

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「JAPAN SENSES〜朱の美」提灯アートワーク, 2016年, 銀座三越

銀座三越「JAPAN SENSES~朱の美」のウインドウディスプレイは、何をイメージして描かれたのですか?

日本の感性を表現することを目標とした、毎シーズン実施されているウインドウディスプレイシリーズで、2016年夏は提灯を使うことと「朱色」「祭」がテーマということがはじめから決められていました。

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「JAPAN SENSES〜朱の美」提灯アートワーク, 2016年, 銀座三越

担当ウインドウの二面が、大きな提灯の面と小さな提灯の面で分けられていたため、視認性と印刷の再現性を考慮し、小さな方は「過去~現在の祭」のシンプルなアイテム面、大きな方は「未来の祭」のファッション(人物)面として描き分けました。

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「OMOTESANDO HILLS JOURNAL No.7」壁面アートワーク, 2015年, 表参道ヒルズ

表参道ヒルズシーズンヴィジュアルについて教えてください。夏らしいモチーフが散りばめられていながら、新鮮な印象のイラストでした。

アートディレクターから「人物以外で海を表現してほしい」という依頼がありました。洗練されたグラフィック表現ができれば、ありきたりなモチーフほど逆に面白いものになるだろうと予想はしましたが、シンプルな表現はともするとコミカルで幼稚に見えてしまう心配もあるため、よりクールな印象になるよう当時はほとんど使ったことのなかったグラデーションカラーにしたり、アウトラインを描かないことでシャープさを強調したりしました。

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