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折笠恵子

PEOPLEText: Aya Shomura

2月に開催なさった個展「アスペクト」のテーマカラーは青ですね。キャンドルの形状も非常にユニークですが、どのようなイメージかを教えていただけますか?

ワックスは液体になるので、扱いとしてはかなり自由な素材だと思います。ただ、その中でどういう表現が可能で、今の私にできることは何なのかを、ギャラリーの方々と相談して決めていきました。結果、「アスペクト」というテーマにしました。私は元々、青を中心にキャンドルを作っていたので、個展のための青というよりは、自分自身のテーマカラー的な位置付けです。


個展「ASPECT」クラークギャラリー+SHIFT, 札幌, 2016 © Keiko Orikasa

展覧会への反響はいかがですか?

今まで反応や感想にそれほど関心はなかったのですが、今回の個展を通して、すごく嬉しいものなんだなと分かりました。今回の個展は良かった部分ももちろんありますが、自分の未熟さも改めて確認できたので、貴重な機会を与えて下さったことに心から感謝しています。


「WINTER ISSUE – SNOW」2015 © Keiko Orikasa

ミュージアムで人気のキャンドルシリーズ「シーズン・イシュー」は昨冬からスタートして季節が一巡しました。制作段階で楽しかったこと、大変だったことはありますか?

年に4回、新作で、しかも3つ作らなくてはならないのは相当大変でした。「シーズン・イシュー」も個展と同様に、ギャラリーの方と相談しながら制作しているのですが、最初の頃は本当に時間がかかりましたね。私に“デザインを形にする”ための技術がなかったことも原因なのですが、その技術を締切までに身につけなければならず…。おかげでこの一年でものすごく進歩しました。自分一人で考えると、どうしても“できる範囲内”で考えてしまいますし、かと言って誰にでも相談できるかというとそれは無理ですし。


「WINTER ISSUE – ICE」アイスヒルズ・ホテルでのワークショップ作品 © megring

透明なキャンドルについては、実は当初アイスヒルズ・ホテルのワークショップだけにと思っていたので、素材の特性もよくわからなくて苦労しましたが、シリーズの中に入れて本当に良かったなと思います。そして、私自身が制作を通して季節と向き合うという経験ができるので、そこで得た発見を今後も作品に落とし込んでいけたらと思っています。

それから、キャンドルに対しての考え方もどんどん自由になっていきました。「キャンドルはこうあるべき」という思い込みを、無意識に強く持っていたんだなと気がつきました。もちろん作風もありますので、何でもやるわけではないですが、かなり範囲が広がりました。そこに自由だなと感じます。でもきっと、続けていくことでもっと自由になる気がします。


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