力石 咲
PEOPLEText: Aya Shomura
屋外でのインスタレーションも多いですよね、使用なさる毛糸はどういった素材なのでしょうか?
素材は色々です。蛍光の色を使うことが多いです。
Project “Reality and Fantasy”, Tokyo, 2014, Photo: Kosuke Natatsuka
最近、興味や関心のあることは何ですか?
いつも大きな大きなモノを編み包みたいです。建物とか単発ではなく、エリアを編み包みたいです。それを2020年のオリンピックでもやりたいです。競技施設そのものや期間中の東京の街をインベージョンしたい。ニットで包むことでその場所を私の風景にするという征服的なものではなく、街の良さや特徴を際立たせるものでありたい。インベージョン作業は私にとってその街を知る作業です。そしてニットという魔法がかかったいつもと違う風景の中で街と人、人と人がどんな関係性を築いていくかを観てみたいです。でも魔法なのでその風景はオリンピックの期間中だけ。ささやかで儚いけれど、訪れた人の記憶にずっと残る。そんな体験を東京に来る世界中の人、地元の人に提供したいのです。
“Traveliving Project”, Gold Coast(AU), 2009, Photo: Saki Chikaraishi
影響を受けた人物、事象があれば教えて下さい。
大竹伸朗さん。大好きです。私もひとつでも多くの作品を作らなければ!頭で考えずにとにかく作らなければ!
今回参加なさっている「カウパレード・ニセコ」での作品は、グラスファイバーでできた等身大のカウ(牛)がベースですね。どのような作品でしょうか?
ニットで包みます。キャトル・ミューティレーション風に。乳のところから小さいUFOが牛を征服しているので見逃さないで下さい。そこに滞在制作中に収集、収拾したものも一緒に編み付けています。
Installation “Knit Invader”, Exhibition “COSMIC GIRLS”, (marunouchi) HOUSE, Variable size, Materials: Yarn, knitting machines, motors, etc, Photo: Gosuke Sugiyama / Gottingham
今後のご予定や、新しいプロジェクト、作品の構想をお聞かせ下さい。
今年春にメディアアート・フェスティバル「アミット」(AMIT)に参加して東京・丸の内の街をインベージョンしましたが、そんなふうにエリアを編み包むプロジェクトを頑張っていきたい。先にお話したオリンピックも。旅するニットマシンは一生継続していきます。あとはパフォーマンス時に着るニットスーツ、そろそろニュースーツを作りたいですね。それから、7月25日からは兵庫県尼崎で展示、8月は京都の高島屋など、今夏は関西方面での展示が多いです。11月まで長野の美ヶ原高原美術館でも展示しております。ぜひお越しください。詳細はオフィシャルサイトのトップページに随時掲載していきます。
Project “Reality and Fantasy”, Tokyo, 2013, Photo: Kosuke Natatsuka
最後に、メッセージをお願いします。
北海道でもエリアをインベージョンするプロジェクトをやりたいですね。
CowParade Niseko
会期:2015年7月1日(水)〜10月1日(木)
会場:倶知安町、ニセコ町各所に点在
主催:一般社団法人ニセコプロモーションボード
TEL:0136-21-2551
観覧無料
https://cowparadeniseko.com
Text: Aya Shomura
Photos: Courtesy of the artist, © Saki Chikaraishi