アレックス・ヴェルヘスト

PEOPLEText: Aya Shomura

あなたのコンセプト、または哲学についてお話しください。

それは、難しい質問です。「Nanos Gigantium Humeris insidentes」(巨人の肩の上)という12世紀の美しい格言があります(オープンソースプログラミングでも使われる言葉です)。「私たちは巨人の肩の上に立つ矮人である」という意味です。芸術は歴史との対話で、私たちは、何百年もの知識の上に立っていることを美しい表現で気付かせてくれます。

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“Temps mort / Idle times -The Marsh” Alex Verhaest © Dauwens & Beernaert Gallery

作品作りの過程における重要なポイントを教えてください。

特定の物語を伝えるのに合う美的ルールを探すのに時間をかけがちです。ある物語の発想で始まり、次にその物語が語られるべき世界を作ります。物語の空間ができたら、物語は変化したり、書き直されたりします。とても直感的な過程です。

どのように創造性をかき立てていますか?

中世後期とルネサンス初期の芸術に執着しています。当時は、絵画が物語を伝える器であり、巨匠たちの一つのフレーム内で物語を語る技法は恍惚とさせるものです。だから絵や素描の勉強をします。ソフトウェアの指導ビデオなどもよく見ます。紹介されている技法を習うためというより、使用していツールの可能性を知るためです。私にとって、指導ビデオを見るのは、勉強している言語の語彙を増やすような行為です。Helene_diner.pngPeter_diner.jpg

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“Temps mort / Idle times – Peter’s Table Prop” Alex Verhaest © Dauwens & Beernaert Gallery

プライベートの時間はどう過ごされますか?

働きます。私の仕事は労働集約的なので、プライベートな時間はあまりありません。仕事中毒とも言えるかもしれません。でも、読書を沢山し、最近はまたバレエを踊り始めました。

次の作品の計画やイメージは何かありますか?

現在、カフカの「変身」を基に物語を書いています。あの小説の物語空間がとても興味深かく感じました。また、あの小説の書き出しは、文学において最高の書き出し文章の一つとも言えるでしょう(翻訳の観点からも面白い文章です)。「変身」は、グレーゴル・ザムザと妹のグレーテの関係が要です。私は、この関係性をある2人の人物の恋愛関係として、グレーテの声を通し、架空の物語として再び想像しました。彼女の恋人(彼か彼女)は消え、浴室の洗面台の中で巨大な殻無しのヤドカリに変身して現れます。恋人の変身は、2人の人間の間の言語と理解の喪失の比喩です。最終的にこの物語はいくつかのビデオゲームになるかもしれません。少なくても、現在はその方向に向かっています。今は美的なインスピレーションのため、ロシアの初期絵画と逆遠近法を沢山見ています。

読者の皆さんへメッセージをお願いします。

展覧会にお越しくださった際は、作品の電話をかけてみて、ご感想を聞かせてください。

第18回文化庁メディア芸術祭受賞作品展
会期:2015年2月4日(水)~15日(日)[*2月10日(火)休館]
時間:10:00~18:00 ※金曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで
メイン会場:国立新美術館、シネマート六本木、スーパー・デラックス他
主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会
TEL:03-3535-3501
入場無料
https://j-mediaarts.jp

Text: Aya Shomura
Translation: Makiko Arima

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