リール・アートフェア 2013
例えリール・アートフェアがそれ自体を現代アートのフェアと位置づけたとしても、必ず多くの近代アート作品が見られ、超有名な地元のアーティストであるユージン・ドデインやジェーン・ロウランドや最近ではラディスラ・キーノを発表していたレジス・ドーヴァルとアントワン・デレライヴ・ギャラリーズの様に切っても切れ離せない存在である。
Photo: Maxime Dufour
忘れてはいけないのが、パリのギャラリストであるデビット・ジラウドだ。彼のブースでは、ウィリー・ロニスやそこまで有名というわけでもないが、才能のある、イギリスのドキュメンタリー写真家ジョン・バルマー等、古典からコンテンポラリー写真の素晴らしい作品を見ることができる。彼のパワフルなイメージは、私のこのフェアでの「クープ・ド・クール(ひとめぼれ)」だった!近所のガドコレクションも素晴らしい写真のコレクションを展示していた。
Schlosser, Gallery Guiraud
最後にその他のブースとアーティストについては、一つ挙げるとしたら、パリのアレクサンドラ・ラザリュー・ギャラリーのオリバー・カテのダンボール素材を削ったり、剥がしたりして作った鳥瞰図の様な町並みの作品が素晴らしかった。
まとめると、リール・アートフェアがヨーロッパの数ある名の知れたアートフェアの仲間入りをしようとするならば、少なからずリスクを冒さなくてはならないし、商業的なギャラリーを減らさなくてはならない。リールは、パリ、ブリュッセルとロンドンの間と、便利な位置にあり、これらの首都から来場者のアクセスは良いが、それと同時にそれらの都市で開催されるアートフェアと競争を強いられる事も意味している。これらの事から、リール・アートフェアは、独自の視点で、“ヨーロッパの交差点”として確固たる地位を確立しなくてはならない。
Lille Art Fair 2013
会期:2013年3月7日(木)〜10日(日)
会場:Lille Grand Palais, 1 bvd des Cités Unies, 59777 Euralille, Lille
https://www.lilleartfair.com
Text: Valérie Douniaux
Translation: Yoko Kazama
Photos: Maxime Dufour